前回の記事では、あなたのこどもの学校生活について、
- 同級生の低俗な話題についていくことに違和感の兆候があるとき
- 学校のカリキュラムに不足感を持っているとき
- 学校に行くことが原因で身体症状が現れることが明らかな場合
- 精神科医から適応障害の診断を受けた場合
上記のいずれか一つでも該当する場合は、迷わず不登校を決断し、学校や教育委員会にもきちんと不登校宣言をすべきであると説明しました。では、不登校を決断したあとは、どのようにすればよいのでしょうか。不登校でも学びの機会をしっかり確保するには、どうすればよいのでしょうか。これらの悩みを抱える人にいえることは、他の多くの人よりも真面目で実直な性格・気質の人であり、質実剛健気質(まじめ)少数者(Earnest Minority;EM)と呼びます。このようなEMの人に向けた標準的なアクションの手順について説明します。
手順1:国や地方公共団体の相談サービスを利用する
結論からいえば、これは、選択肢を絞り込む過程です。
ご承知のとおり、各地方公共団体には、「いのちの電話」や、臨床心理士による対面の相談窓口があったり、厚生労働省や法務省にも、自殺予防や人権擁護を目的とした電話相談窓口が設けられています。これまで何もアクションをされていない方は、まずは、これらの方法をお試しください。おそらく、不登校問題に悩むこどもがいる、日頃からFMGをご愛読の方ならば、これらの相談では、全く解決しないでしょう。なぜなら、これらの相談窓口の対応者は、心理学などの専門家ではあったとしても、本人がいじめなどで主体的に悩み苦しんできた経験があるとは限らず、所詮他人事にすぎないからです。これらのサービスは無料ですし、利用してみても構いませんが、あくまでも、自殺などの最悪の事態を一時的にくい止めるためのSOSにすぎず、これで解決できれば、誰も苦しまないというものです。記者の私も、このようなサービスや児童相談所に何度も相談しましたが、小〜中学生の当時の倉敷には、現在のようなオルタナティブスクールやフリースクールはあるはずもなく、時々行く児童相談所や学校の職員室で教員に話を聞いてもらうくらいしか、居場所はありませんでした。当然、これらの電話相談で解決するようなことはありませんでした。このような境遇におかれている方は、あなたやかつての私だけではなく、決して少なくはないはずです。ですから、このような電話相談で解決できないことに悲観してはいけません。むしろ、これらの電話窓口で解決できなかったことを強みにする方法を、次にご案内します。
※なお、いきなり心療内科など精神科の診断を受けるという方もいるようですが、得策ではありません。むしろ、されないことをおすすめします。なぜならば、困り果てた末に精神科を頼るかぎり、医師の助言には反論ができず、その医師が、私利私欲のために、患者の弱みにつけ込んで、多量の向精神薬を処方するようなことも少なくないからです。(向精神薬は、おもに神経伝達に関わるホルモンの分泌を薬物の作用で制御するものにすぎません。神経伝達に関わるホルモンの分泌を調整する方法は薬物だけではなく、むしろ、薬物によらない教育的手段(ストレス解消になる積極的な行動)のほうが、はるかに高い実効性があることも少なくありません。このことは、記者自身も体験しています。)投薬を伴うような医療的手段は最後の手段として封印しておき、まずは、教育的手段でできる限りのことを尽くすことが優先となります。
手順2:銀鮒の里学校のCAOサービスを利用する
銀鮒の里学校が誰でも審査なしで1回限り利用できる電話相談(コール・アット・ワンス;CAO)サービスを提供していることをご存知でしょうか。CAOサービスは、以下の手順でご利用いただけます。
(すでに銀鮒の里アカウントをお持ちの方は、回数無制限での電話相談(無償)ができますので、この手順は省略し、手順3にお進みください。)
- 銀鮒の里学校の公式ウェブサイトのトップページより、簡易お問い合わせ(試験運用)をクリックし、「銀鮒の里学校の活動に関するお問い合わせ(簡易版)」を表示します。
- 銀鮒の里学校の活動に関するお問い合わせ(簡易版)のフォームに、必要事項を入力します。匿名投稿ができますが、PCで使用できるメールアドレスは必須となります。お問い合わせ内容には、必ず、昼間に連絡をとることが可能な電話番号(携帯電話・固定電話・IP電話いずれでも可;LINE・Skypeなどの代替通話サービスは不可)とお悩みごとの概要をご記入ください。上付きのアスタリスクが付された項目はすべて入力必須となります。
- 入力に誤りがないことをよく確認してから、確認ボタンをクリックしてください。
- フォーム送信から72時間以内に、銀鮒の里学校事務局から、フォームにご記載いただいた電話番号に非通知で電話がかかります。対応者のガイダンスに従って、お困りごとの詳細をお話しください。そのとき、手順1の実施状況とその結果、銀鮒の里学校のCAOサービスをご利用いただくまでの経緯や動機(銀鮒の里学校にしかできないようなことで、相談者が期待すること)についてもお尋ねいたします。
※相談者の都合(ミス・手違い)で電話連絡ができなかった場合、システム上、1回相談済みとカウントされます。原則として、銀鮒の里アカウントをお持ちではない方の複数回の電話相談(無償)はできません。CAOサービスのカウント解除の場合、相談者の状況によっては、所定の特別解除手数料を請求する場合がありますので十分にご注意ください。なお、CAOサービスのご利用終了後に銀鮒の里アカウント取得の審査を通過し、銀鮒の里アカウントを取得された場合は、すべての電話回数制限は解除され、回数無制限での電話相談(無償)が可能となります。
手順3:銀鮒の里アカウント取得者向けの企画提案型相談サービスを利用する
すでに説明したとおり、銀鮒の里アカウントをお持ちの方は、回数無制限で電話相談ができます。そこで、他のオルタナティブスクールなどの教育機関とは大きく違う、銀鮒の里学校ならではの特徴をご案内します。それは、学校(のカリキュラム)任せではない、ご利用者が主体的にこどもの学びや育ちに関わる企画提案型だということです。もちろん、銀鮒の里学校は、カリキュラムや理念がしっかりとある学校ですから、公式ウェブサイトやFMGの記事などで、学校のことをしっかり理解したうえでということが大前提となりますが、その大前提をふまえたうえで、やりたいこと、期待することを提案するということが重要となります。(いいかえれば、その特性上、あなたが受け身の傍観者的(指示待ち)姿勢であるかぎり、あなたの思うようにはならないということです。あなたがやりたいこと、想いを言い出すことで、希望の実現に向けての教育機会が始まるということです。まるでエンジンや蛍光灯のスターターのように。)そのためには、相談者である親権者自身が、こどもの学びの見本になるべく、好奇心を持って学習する姿勢が欠かせません。善良な内容であれば、趣味の延長でも構いません。(例:園芸、手芸、料理、日曜大工(DIY)、読書、野外活動など)あなたが真面目であるかぎり、気負う必要はありません。まずは、今の趣味の延長というかたちで構いませんので、銀鮒の里学校に、ホームスクーリングに発展させるための積極的な提案をしてみてください。そして、社会起業家の育成を目指す銀鮒の里学校だからこその創造的実現力を実感してみてください。
手順4:銀鮒の里学校のスクーリング(ワークショップ)の機会に参加する
例えば、能勢町のぎんぶなのうえんでは、随時、園芸教育の機会を提供しています。この他にも、こどもの学びに役立つ内容であれば、各主体(相談者)のご希望に応じて、スクーリング企画をコーディネートすることもできますし、複数のスクーリング企画の間に関連性(つながり)を見出すことで、関心をさらに拡げていくこともできます。少しでも時間ややる気があれば、銀鮒の里学校のスクーリングの機会に積極的に参加することが、相談者の希望実現につながります。
このような地道な取り組みを通じて、農村社会起業家を目指す稀有なオルタナティブスクールである銀鮒の里学校の学校づくりの実現に近づけていき、EMのこどもたちや世帯の努力がしっかりと報われ、どこよりも生きがいや、強さの中のやさしさを感じることのできるような教育コミュニティの実現を目指していきます。そのためには、あなたがまず、声をあげることが必要です。悩みのなかに希望がある、そんな声を、ぜひ、お聞かせください。それが、銀鮒の里学校とともに希望の実現に向けて歩んでいくための第一歩となります。まずは、ダメでもともとという気持ちでも構いません。ともに夢をみるべく、今すぐ、行動を起こしてください。
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