阪急百貨店またも不祥事、弁当の消費期限を偽装5年間

阪急百貨店のロゴ

阪急百貨店のESG評価の低下に歯止めがかからない異常事態、化粧品の免税販売不正に続き、今度はより身近な食品偽装の問題発覚です。

阪急百貨店うめだ本店(大阪市)の地下1階で営業していた「大分中津から揚げの店 華鳥(はなどり)」で消費期限の偽装が発覚しました。消費期限を記載した弁当のラベルを、より新しい消費期限に書き換えたラベルに貼り替えるところを来店客が目撃して発覚し、このような不正は、2018年9月から約5年間にわたり、常習的に行われていたということです。

そもそも中食という販売形態に無理がある:私たちが持つべき視点

食品ロスを減らしたいというねらいで消費期限改竄がおこなわれていたことは想像するに易しですが、そもそも、惣菜を派手に陳列するデパ地下の中食やコンビニ弁当という販売形態自体が、大量消費・大量廃棄を厭わない旧代的で、現代の価値感覚にはそぐわない無理がある販売形態であるというべきです。作り置きを陳列するかぎり、品質の経時劣化の問題は不可避であり、どうしても廃棄や、よくても大幅値下げの経営上のリスクが伴ってしまいます。消費期限を延長するには、保存料の使用や包装方法の変更が検討されることもありますが、保存料を使用すれば、保存料がお客様の健康を害するおそれがあり、当然、品質バッシングが予想されますし、包装で対処しようとしても、過剰包装になりがちなど、多くの限界にぶち当たります。

百貨店のマーケティング戦略の思惑を真に受けず、惣菜コーナーは懐疑的にスルーするというのが、今日の市民感覚に基づく行動ではないでしょうか。惣菜コーナーで売っているようなおかず類は、原則として家庭の手料理でつくることにすれば、最も納得がいきますし、何らかの事情で、どうしても惣菜を買いたいというのであれば、お客様から注文をきいてから調理にとりかかるオーダー調理方式のお店で買うべきです。オーダー調理にすることで、消費期限が非常に短く、食品廃棄の主要原因のひとつとなっている作り置きを回避することができ、いつでも新鮮な商品を提供できますので、お客様の側にとっても、お店側にとってもよいというわけです。欠点を挙げるとすれば、やや手間がかかることや、お客様の待ち時間が長くなるということくらいでしょう。そのような欠点を気にするくらいでしたら、その商品には、手間や時間をかけるだけの価値がないということですから、最初から買うべきではないのです。これは、よい買い物をする方法にもなり、無駄遣いをしない節約術にもなるわけです。

デパートでは、その雰囲気に負けて、ついつい財布の紐が緩んでしまうという方もいるかもしれませんが、池田藩の厳格な倹約令にルーツがあるとされ、対岸の香川県と並んで日本一財布の紐が固い岡山県の出身、オカヤマンヘンな鮒には、その気持ちはわかりかねてしまいます。財布の紐が緩むということは、百貨店側のマーケティング戦略の思惑にはまっているという証拠であり、百貨店側に隙を与えてしまうことでもあります。派手な売り方をしている場面でこそ、財布の紐は固く締めましょう。

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