三井化学クロップ&ライフソリューション「みつひかり」多重偽装問題、山田正彦元農相らが刑事告発

三井化学クロップ&ライフソリューション株式会社のウェブサイト。実態は”For Synthetic Life”だ。

種苗権利ビジネスの危うさを露呈「危惧していたことが現実に起きた」

三井化学クロップ&ライフソリューション(東京都中央区;以下、三井化学CLS)が独占的権利を保有する米の品種「みつひかり」の多重偽装問題をめぐり、旧民主党政権時代に農林水産大臣を務めた山田正彦弁護士や国会議員など19人が、種苗法違反の疑いで、14日付で警視庁に刑事告発していたことがわかりました。この告発状や農林水産省の情報によると、大きく分けて3つの種苗法違反容疑が指摘されます。

産地偽装

三井化学CLSは2016年から2022年までの7年間にわたり、茨城県産と表示しているにもかかわらず、意図的に愛知県産等の他産地の種子を混入させていた疑いが持たれています。

品種偽装

三井化学CLSは2017年から2022年までの6年間にわたり、自社権利保有品種「みつひかり(2003)」と表示していながら、実際には純粋な「みつひかり(2003)」とはいえない変異種を含むとされる不純な種子を、農家等に販売していた疑いが持たれています。当然のこととして、純粋な「みつひかり(2003)」を期待して栽培した農家からは、「三井化学CLSには裏切られた」と怒りの声が上がっているということです。

発芽率偽装

三井化学CLSは2019年から2022年までの4年間にわたり、発芽率を偽り「90%」と表示していたということです。実際よりも高く(優れた)記載をした疑いもあります。発芽率データは、農家が播種量を算定する際に必要なデータであることから、顧客である農家の栽培計画に及ぼす影響は重大です。

これら3つに共通していることは、三井化学CLSにおける交配不良による不作を補填している疑いが持たれるということです。日本人の主食である米は、安定生産がとくに求められており、種籾の生産者は、種籾を生産農家に安定供給しなければなりません。このことを国として保障する法律が種子法であったわけですが、自民・公明連立政権に政権交代してから、その種子法が廃止され、三井化学CLSをはじめとする、農薬を祖業とする化学系アグリビジネス企業にとっては空前の商機が到来することになったわけです。もちろん、市民層からは、種子法廃止に多くの反対の声が上がりましたが、それでも、海外のアグリビジネス暴走反対運動の勢いに比べれば、遠く及ばないものでした。三井化学CLSは、この一連の問題に関して、「自社の不作を補填する必要に迫られたが、その補填の事実の告知を怠ってしまった(ために、結果として偽装になってしまった)」という旨の釈明をしているということです。

農林水産省もあり得ない激甘処分「厳重注意」

この一連の問題を受けて、農林水産省は、11月に三井化学CLSに対して、違反行為の内容や原因についてまとめた報告書(始末書)の提出を命じる厳重注意と再発防止策の実施状況の報告を求める行政処分を科しました。三井化学CLSが日本の農政の信頼を根底から揺るがしかねない重大な問題を起こしているにもかかわらず、厳重注意と実施状況報告という行政処分は明らかに激甘処分であり、農林水産省と巨大資本系アグリビジネス勢力との間に、あるまじき忖度体質があるのでは、と疑ってしまうような状況といえます。

●三井化学クロップ&ライフソリューション株式会社における稲種子の違反表示等に対する措置について(農林水産省)
https://www.maff.go.jp/j/press/nousan/kokumotu/231102.html

告発人代表の山田正彦弁護士(元農相)は、15日の記者会見で、「種子法廃止以前から危惧されていたことがついに起こってしまった」「(三井化学CLSの)一連の行為は許されない詐欺行為だ。農林水産省による厳重注意という甘すぎる行政処分もあり得ない対応だ。(今後、同様の問題が起こり、日本の農業に混乱が起きることが決してないよう、)刑事手続の中で、しっかりと真相究明がなされなければならない」という旨で語っていたということです。

三井化学CLSの農業関連事業としては、以前からFMGで問題視している新規PFAS・POPs農薬(殺虫剤)であるブロフラニリド(商品名:テネベナール)の開発・原体販売(再編前の旧 三井化学アグロが開発)も有名です。大手化学系アグリビジネスに対する市民の眼差しが今後、より厳しいものになるのは必至の情勢です。能勢・ぎんぶなのうえんでは、当初よりオープンソース品種にこだわって、野菜や花を育てています。あなたも、能勢・ぎんぶなのうえんの実際のフィールドで、農業や園芸における商業化問題について考えてみませんか。

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