茨城県城里町の採卵養鶏場でAI確定、93万羽殺処分、累計では約998万羽で羽数ベース史上最悪を更新

冬の悪夢”10メガ・アビサイド”いよいよ現実に

茨城県は9日午前、8日に同県城里町の採卵養鶏場で鳥インフルエンザの疑い事例がみられたことについて、遺伝子検査の結果、H5亜型の鳥インフルエンザウイルスが検出され、この採卵養鶏場の採卵鶏が高病原性鳥インフルエンザの疑似患畜であると判定されたと発表しました。これを受けて茨城県では、この採卵養鶏場の採卵鶏の全数にあたる約93万羽の殺処分を開始しました。

今回の事例確定で、今季の累計殺処分数は、これまで史上最悪だった2年前の約987万羽を上回る約998万羽(当初の公表値と実際の殺処分数との間に誤差がない場合)になり、1,000万羽の大台突破は目前となりました。

茨城県による公式情報
https://www.pref.ibaraki.jp/nourinsuisan/chikusan/kachiku/infuru/documents/230109_gizikanntiku.pdf

公共放送の報道の弱さ際立つ

公共放送のNHK(日本放送協会)は、9日午後7時のニュース(総合テレビ)の筆頭で、国内の鳥インフルエンザ殺処分数が史上最悪を更新したことを伝えました。しかし、鶏卵や鶏肉を使用する飲食店や食品製造業者の悲鳴や、「今季は渡り鳥の飛来が早かったことが原因」との専門家のコメント、「小動物の侵入に注意すべき」との農林水産省のコメントを取り上げるだけで、相変わらずの思考停止ぶりが際立つ内容でした。

FMGでは、このNHKの報道を、感染リスクを徒に高める工業的養鶏が問題の根底にあるにもかかわらず、NHKはそこにあえて触れない「御用メディア」に徹していると痛烈に批判、「国や地方自治体からの情報にも不備や意図的隠蔽(デマ)を含んでいる可能性もあり、独立した公共放送として、批判的検証に基づく独自の報道姿勢が求められる」と釘をさしました。

常套句の官製デマに注意

農林水産省や各都道府県は、鳥インフルエンザ発生時のプレスリリースの最後で、「我が国の現状において、鶏肉や鶏卵を食べることにより、人が鳥インフルエンザに感染することはないと考えます。」との常套句で締めることが慣例となっています。これは、食品安全委員会の見解を準用したものですが、実際には、FMGでも過去に報じたように、カナダなどで、人が鳥インフルエンザに感染した事例があることや、鶏肉や鶏卵は、一品ずつウイルス検査を行っているわけではないこと、さらに、厚生労働省も鳥インフルエンザをヒトの2類感染症に指定し、注意喚起している実態があることから、この常套句には矛盾があることがわかります。FMGでは、この問題の常套句を、養鶏の風評被害や経済的ダメージを恐れることからくる官製デマであるとして、注意を喚起しています。

バタリーケージ養鶏場やブロイラー農場のような工業的養鶏の現場では、鶏の飼養羽数が多すぎることにより、鶏の健康状態の確認が行き届かない実態があります。そのような現場で生産される、ノーチェックの鶏卵を生で食べることや、鶏肉の生食には、鳥インフルエンザウイルスに汚染されているかもしれない未知のリスクがあることを知るべきだと、FMGでは注意を促しています。

(※補注:鶏卵や鶏肉の生食で、人が鳥インフルエンザに必ず感染するという意味ではありません。なお、十分に加熱した場合には、一般的なウイルスの特性から考えて、ウイルスは失活すると考えられますが、養鶏には、環境負荷が大きいことや、倫理的問題など、保健衛生上の問題以外にも多くの問題を抱えていることも忘れてはなりません。実際に食べるかどうかの判断は、これらについて総合的に考察したうえで、慎重におこなわれるべきです。)

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BGM:”Dayly News” by Make a field Music
Ending Jingle:”モノローグⅡ” by Amacha

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