広島県北広島町のケージ養鶏場が破産申請へ、鳥インフルエンザ発生で

先月、高病原性鳥インフルエンザが発生し、バタリーケージの採卵鶏約8万羽が殺処分された、広島県北広島町の工場型採卵養鶏事業者、農事組合法人石本農場(以下、石本農場)が、近く広島地裁に破産申請を申し立てる予定であることが、広島県の地方メディア各社の報道でわかりました。石本農場は、新型コロナウイルス禍による消費行動の鈍りにより業績が悪化、コロナ後にあたる先月には、追討ちをかけるように、高病原性鳥インフルエンザが発生したことにより、資金繰りが逼迫、再開は事実上不可能と判断したとみられます。このことから石本農場は、近く広島地裁に自己破産を申し立てる予定だということです。

石本農場のケージ卵は、カップ入りの異色の販売形態で、関西地域のスーパーでも、他の生産者のケージ卵よりもやや割高で販売されていました。

●農事組合法人石本農場の紹介ページ(広島県産応援登録制度)
https://www.hiroshima-ouen.com/1582

●TSSテレビ新広島(FNN(フジテレビ)系列)の報道
https://www.tss-tv.co.jp/tssnews/000023869.html

工場的養鶏は時代遅れでアグリシフト進むも広島県知事は惜しむコメント

日本の工場的養鶏は世界の潮流としては時代遅れの農業として、アニマルウェルフェア問題や環境問題、人獣共通感染症(新型インフルエンザ)問題の観点などから、批判の的となっており、廃止・削減と再生可能型農業(マメ科作物生産など)への転換(アグリシフト)が急務となっています。そのような中で、工場型畜産の廃業は歓迎されるべきといえます。しかし、その一方で、湯崎英彦広島県知事は、「(石本農場の廃業は)残念だ。今後、同様の事例が起こらないように、養鶏業者の廃業を予防する措置を講じたい」という旨の、未練のコメントを表明しています。今後、湯崎知事のコメントは、アグリシフトやアニマルウェルフェアを妨げかねない発言だとして、サステナビリティ界隈で議論を呼びそうです。

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