自動車やマイホームの購入を検討されている方は注意が必要かもしれません。
自動車首位のトヨタ自動車(愛知県豊田市)をはじめとするトヨタグループの一員の商社である豊田通商(名古屋市)が、茨城県八千代町と福岡県福津市のイセ食品グループの養鶏事業会社「エッグドリーム八千代」「エッグドリーム九州」の設立に関して、合弁主体として資本参加していたことが、ふなあん市民運動メディアの信用調査で明らかとなりました。豊田通商は、2018年4月1日付でイセ食品に社外取締役を派遣していたことからも、イセ食品の経営にも深く参画していることがわかります。エッグドリーム八千代は2013年に茨城県八千代町に設立、設立当初は40万羽の飼養規模だったものを、2015年には、合計飼養羽数120万羽に大幅に拡大しています。(もちろん、バタリーケージ飼養となっています。)エッグドリーム九州は2019年3月1日に福岡県福津市に設立、出資比率は、イセ食品が65%、豊田通商が35%となっています。一方で、すでに2012年の時点では、EUでは養鶏でのバタリーケージの使用は禁止されていたことは、ご承知のとおりですが、このことからも、トヨタグループがいかに国際的動向に逆行してきたかがわかります。
エッグドリーム八千代(イセ食品・豊田通商合弁)の飼養規模を40万羽から120万羽に拡大したことに関する記事(日本食糧新聞)
https://news.nissyoku.co.jp/news/wakui20151021073618944
2018年4月1日付でイセ食品に社外取締役を派遣することに関するプレスリリース(豊田通商ウェブサイト)
https://www.toyota-tsusho.com/press/detail/180404_004147.html
エッグドリーム九州の設立に関するプレスリリース(豊田通商ウェブサイト)
https://www.toyota-tsusho.com/press/detail/190325_004347.html
イセ食品の関連会社(イセ食品ウェブサイト)
https://www.ise-egg.co.jp/company/group.html
※エッグドリーム八千代の記載はありますが、エッグドリーム九州の記載はありません。
「一企業」の言い逃れは許さない!トヨタグループ全体としての連帯責任の追及を
トヨタグループの中核を成すトヨタ自動車は、水素を燃料とする燃料電池電動車「MIRAI」をコンセプトシンボルとする派手な印象のSDGsの取り組みで、サステナビリティ界隈では圧倒的な存在感を呈していますが、その一方で、同じトヨタグループの主力商社である豊田通商が、地球温暖化の加速の一因としても指摘されている畜産業であり、そのなかでも、アニマルウェルフェアの観点から、とくに世界的な風当たりの強い大規模集約工業型のケージ養鶏の新規事業に巨額の投資をし、それもイセ食品との合弁会社設立という、最も濃密な協業をしていたという矛盾した実態が、11日のイセ食品の倒産でクローズアップされることになりました。これは、ESG投資上のリスクを甘く見たことによる、トヨタグループのESG信用上の痛手になることは不可避とみられます。ESG戦略やSDGsにトヨタグループが一丸となって取り組んでいる以上、豊田通商という単独の企業としてだけではなく、トヨタグループ全体としての連帯責任も追及するのが道理にかなっているといえます。
なお、豊田通商のウェブサイト(過去のプレスリリースは除く、一般の事業紹介ディレクトリにおける内容)について、サステナビリティの面でのブラックな印象を覆い隠したい思惑があるのでしょうか、現時点においては、「エッグドリーム」事業に関する説明は見当たらず、主要関係会社のリストにも「エッグドリーム八千代」「エッグドリーム九州」の社名は見当たりません。
豊田通商の食料・生活産業事業(豊田通商ウェブサイト)
https://www.toyota-tsusho.com/business/food-consumer-services/
豊田通商の関連会社(食料・生活産業事業分;豊田通商ウェブサイト)
https://www.toyota-tsusho.com/company/group/food-consumer-services.html
このことに関して、豊田通商は、「ウェブサイトに記載している食料・生活産業事業関連会社は、あくまでも主要な企業。エッグドリーム事業は、(ツナドリームや第一屋製パンなど他の事業と比べて)事業規模が小さいため、省略している。(同じ動物の養殖関連で、マグロ養殖事業の)ツナドリームは、大学との協働の関係もあり、事業規模は大きいものとなっているため、掲載している」と説明しています。
自動車はヤリス・ヴォクシー・アルファードグレードで数百万円、レクサスのような高級車では、軽く1千万円を超える車種もある、マイホームに次ぐ、人生で最も大きな買い物です。もしあなたがエシカル購買を通じて、SDGsについて真剣に取り組みたいとお考えでしたら、とくにトヨタ自動車やダイハツ工業(大阪府池田市;トヨタ自動車の子会社)のクルマやトヨタホーム(名古屋市)のマイホームのご購入を検討されている場合は、上記のことを慎重に考慮のうえで購入の意思決定をされることをお勧めします。
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