ダイハツ生産国内向け車種で検査不正発覚

ダイハツ工業(大阪府池田市)は19日、生産した国内向けの小型SUV車で、衝突安全性試験にかかる検査不正が発覚したことを発表した。検査不正が発覚した車種は、自社ブランドの「ロッキー」と、親会社にあたるトヨタ自動車(愛知県豊田市)向けOEMの「ライズ」で、いずれもハイブリッド仕様だという。

問題の車種は、滋賀県竜王町にあるダイハツ工業の生産拠点で生産されているが、同日から出荷と販売を停止した。問題の試験は、電柱様のポールに衝突させる衝突安全性試験で、運転席側と助手席側についてのデータをとるべきところを、運転席側についてのデータをとらずに提出していた不正の疑いがあるという。

小型SUVの「ロッキー」と「ライズ」は、サイズも車体価格も維持費も手頃ということで顧客ニーズをつかみ、人気の車種だという。「ライズ」は、基本構造が「ロッキー」と同じ車体を使用したもので、トヨタのロゴと車名のエンブレム以外は見た目が非常に似ていることから、「ロッキー」の兄弟車といわれている。トヨタ自動車はセダンやミニバンといった3ナンバー(中〜大型)クラスの車種の生産に主力を置いており、軽や5ナンバークラスの小型車種の生産はあまり得意としない。そのため、これら小型車種の多く(ライズ、ルーミー、ピクシスなど)は、小型車生産を得意とする子会社のダイハツ工業に生産を委託している。また、規模は小さいが、その逆の例(アルティス)もある。

トヨタグループでは、今回のダイハツ工業のほかにも、業務用トラックの日野自動車(東京都日野市)でも排ガスデータ不正が問題となった経緯があり、今後、トヨタグループ全体のガバナンス体制の問題について追及されるのは不可避とみられる。

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