2025年大阪・関西万博の世界的総スカン、中止論も

読売新聞社が7月21日から23日にかけて実施した世論調査で、再来年に大阪で開催予定という大阪・関西万博(EXPO2025)について、「関心がある」と答えた人は、半数を大きく下回る35%にとどまり、「関心がない」と答えた人は65%だったことがわかりました。大阪・関西万博は、現在のところ、海外から出展のパビリオンの着工がゼロで、開催そのものが危ぶまれています。ネット上では、「今なら中止しても間に合う(カッコがつく)」という中止論も出始めているということです。

ではなぜ、大阪・関西万博は世界的関心がこれほどまでに低いのか、あえてマスコミがしない見方で考察してみたいと思います。

開催地選考プレゼンの時点で決定的だった総スカンの原因

日本政府、大阪府と大阪市は、開催地選考会のプレゼンテーションで、ポケモンを登場させて、SDGsについて語らせるという、非常に恥辱的なプロモーション動画を発表しました。ポケモンが出ることや、SDGsの実施に関する信憑性を除いては、技巧的には抜群の出来で、そのことによる「ハッタリ効果」が、開催地選考の勝因として大きく働いたとも考えられます。しかし、世界はそこまでアホではありません。一時的な票集めには成功しましたが、肝心の万博は、もうこの時点で失敗していたのです。

●フランス・パリで恥を晒す「ポケモンラッピングバス」(産経新聞)
https://www.youtube.com/watch?v=KN6OxwqAAHU

大阪府と大阪市の事実上の「地方政権政党」となっている大阪維新の会(日本維新の会)のハッタリ大好き政策は、われわれ大阪府民や大阪市民の間でも不協和音が根強く、もはや情報の国境がない今日にあっては、このことが世界全体からもお見通しだったわけです。大阪維新の会が率いる大阪府と大阪市は、構想初期には、万博のメイン会場である、ゴミの埋め立てでできた人工島の夢洲にリニアモーターカーを通し、カジノを核としたIR(統合型リゾート施設)を併設し、万博の開催とあわせて実現させるという「壮大な夢物語」を本気で語っていました。これまで散々無駄遣いを尽くしてきた結果、今、財政火の車で「身を切る」といいながら、恥もかきすて何でもあり。このことからも、大阪府と大阪市の見栄っ張りハッタリ体質が見え透いており、ポケモンのプレゼンともよく重なります。まるで、今、世の中を騒がしている「ビッグモーターの官製版」のようです。

コロナ禍に総工費の大幅増額

今年5月には、新型コロナウイルス感染症は感染症法上の分類での従来の2類相当から5類に格下げされ、事実上のコロナ禍終焉を迎えました。大阪市内では現在、4年ぶりに通常開催の天神祭で盛り上がっているといいます。しかし、このことを一様に喜べないのが万博の主催者。コロナ禍が終焉しても、気づいてみれば、大阪・関西万博の開催まで2年を切っています。通常ならば、海外から出展のパビリオンの建設は着々と進んでいると思われますが、なぜか着工はゼロ。主催者側では焦りながらも、「必ず実現できる」と根拠のない自信を宣言する始末です。コロナ禍やウクライナ紛争などの国際情勢の悪化による全体的な物価上昇の影響もあり、また、大阪・関西万博の計画そのものの甘さもあり、総工費は当初の予定よりも大幅に増額しているともいいます。大阪市は2008年の五輪開催地選考でボロ負けしましたが、大阪・関西万博は、そのリベンジともいわれています。汚職問題で失敗に終わった東京五輪もまた然り、大阪・関西万博もまた然り、知性では堕落しながらも、地に着いていなくても、いつまでも、どんな方法でもってしても、なんとしても世界の頂点にすがり続けたいという日本の見栄っ張りハッタリ体質をよく表しています。

気持ち悪いと不評のキャラクター「ミャクミャク」

大阪・関西万博のキャラクターの選定は、通例のように、複数の候補からの多数決で決定されましたが、その多数決で決まったのが、あの不気味な目玉だらけのバケモノ「ミャクミャク」です。日本、ことに関西の社会は、自分たちのために何かを決める際もいい加減で、そのことが、社会の矛盾として露呈しています。多数決で自分たちのために決めたことなのに不評だということからも、日本や大阪・関西の政治や社会に対する意識の低さがよく見えます。将来を左右するこどもの教育でも、商業依存の象徴であるポケモンや商業ゲームを「新しいお国芸」と肯定的に称賛し、レジリエンスのない人を量産する事態に。このような「無関心ニッポン」に、国際社会は、もはや愛想尽かしているのかもしれません。

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