能勢・ぎんぶなのうえんだより(2023年4月6日)

やさしい春風に満開の桜と田辺大根・のらぼう菜・天王寺蕪・エリシマムの揃い咲きの4月上旬、能勢・ぎんぶなのうえんは、1年のうちで最も感動的な季節を迎えています。

この桜の大木は、4月4日の時点での能勢・ぎんぶなのうえんからの眺めです。今年は例年にないほどの早咲きで、能勢でも、この春の雨を過ぎると、この桜も葉桜になり、「今年の桜の季節は終わるのか」と思うと、とても寂しい思いがします。そんな今でも、能勢の朝晩はかなり冷え込み、最低温度は氷点下にはならないまでも、1℃くらいまで下がっていました。まだカエルたちもちらほらで、多くは、ふかふかの土の布団ですやすや冬眠をしているようです。それだけに、能勢の春ならではの変化や複雑さがあり、季節の移ろいの感動はひとしおです。

桜は終わってしまいますが、能勢・ぎんぶなのうえんは、これから、さらに彩りを増し、最も美しく輝き、活気づきます。現在、アブラナ科の花たちがカラフルに彩ってくれていますが、これからは、これらに、キク科のコーンフラワー(ヤグルマギク)やカレンデュラ(キンセンカ)、ヒガンバナ科のチャイブ、リムナンテス科のリムナンテス(目玉焼き草)が彩りを加えてくれます。

今、のらぼう菜(黄色の花)や田辺大根(白色の花)が咲いているこの畝には、早ければ5月に、採種の後、ナス科の野菜を植える予定です。昨シーズンは、この畝にはナス科野菜は植えていないので、連作障害予防対策も兼ねています。

コーンフラワーとマロウの畝です。コーンフラワーは定植後、多く分枝して、一気にボリューム感が出てきています。もちろん、このようなことを想定して、十分な間隔をとっていますが、23日の開園の頃には、美しい花を、ボリュームたっぷりの株に咲かせてくれるでしょう。コモンマロウは、秋の時点では非常に元気だったのですが、冬の厳しい寒さでダメージの大きい苗も出てしまいました。今後、暖かい日が続くと、もりもりと育ち、5〜6月頃には、美しい赤紫色の花を咲かせてくれるでしょう。マーシュマロウも植えており、こちらは、薄いピンク色の花を咲かせます。原種ならではの自然な美しさで楽しませてくれるでしょう。手前の大きい株は、キャットニップです。

コーンフラワーの株立ちアップです。定植時からは想像もつかないほどに大きく育っています。春の目覚めの初々しい葉が新鮮です。もうすぐ花を咲かせてくれるでしょう。

エリシマム・アリオニー’シベリアン・オレンジ’です。能勢の厳しい寒さの中で逞しく育ちました。エリシマムは、チェイランサスの名称(旧属名)でも知られていますが、園芸店でたまに見かけるのは、やや派手で大振りな感じの改良種です。この種は、採種しても、同じ花を咲かせる原種です。やはり、改良種に比べると落ち着いたナチュラルな印象があり、他の原種の花とよく調和します。(改良種は派手すぎて、浮き立った印象が出てしまいがちです。)眩しいほどの明るいオレンジ色は、春にぴったりです。定植後間がないので、まだ小さめですが、これからもっとボリュームが出てくるでしょう。5月頃まで楽しめる予定です。

これは、天王寺蕪の花です。意外に思われるかもしれませんが、これは、こぼれ種で咲いたものです。天王寺蕪はもっぱら食用のイメージが強いですが、庭園の花としても美しいものです。花を咲かせるのであれば、土壌の条件がよければ、ほぼ無施肥に近い状態でも育ちますが、秋に肥大した蕪を収穫するには、盆明けに早めに直播きし、短期集中的に肥培管理します。(夏に発芽するほど、高温での発芽には適応性があります。)意外に思われるかもしれませんが、蕪の花も食用になります。

昨春に播種したチャイブ(ヒガンバナ科)です。2年目は立派な成株に育ち、花芽も上がってきています。このチャイブも、西洋アサツキとも呼ぶように、食用のイメージが強いですが、実は、アリウム・スコエノプラサムという優秀なナチュラルガーデンの素材でもあります。優しい感じの葉に、ピンク色の愛らしい花(ネギ坊主)を咲かせます。ネギよりも上品な香りの葉は食用になります。

能勢・ぎんぶなのうえんから、満開の桜を眺めた景観です。何色見えるでしょうか。これでも、能勢の花の季節は序章です。これから、もっと賑やかになっていく予定です。

能勢・ぎんぶなのうえんのシンボルフラワー、早ければあと10日程度で開花か

カノコソウ(Valeriana fauriei; スイカズラ科)は、能勢・ぎんぶなのうえんのシンボルフラワーですが、そのカノコソウが、早ければあと10日程度で開花が始まる見込みです。ちょうど桜の花のような淡桃色のカノコソウの花には、特有の上品な甘い芳香があるのも魅力です。カノコソウは古くから鎮静作用のある薬草(吉草)として知られており、特有のベースノートの芳香を発する地下部に特有の物質が含まれていることから、化学的観点からも、近年見直されている植物のひとつです。洋種のバレリアン(Valeriana officinalis)とともに、イリドイドIPMでの応用候補植物のひとつでもあります。地下部からベースノートの、しかも特有の精油成分を発する植物は比較的珍しいといえます。

「こどもたちにとって、一生印象に残る、能勢の季節のこころの風景を。」

能勢・ぎんぶなのうえんは、やさしい気持ちで満たされる、まじめな子育て環境をご希望の親子に思いっきり楽しんでいただきたいとの思いで、真心込めて、花や野菜をつくっている、これまでにありそうでなかった教育農園です。カエルなどで賑わうサンクチュアリでもあります。このような能勢本来の里山環境をよりよいかたちで保全する取り組みに共感する方に、持続的にご利用いただくため、銀鮒の里アカウントでの会員認証制をとっています。能勢・ぎんぶなのうえんをご利用になりたい方は、予め銀鮒の里アカウントを取得していただき、ご準備をお願いします。

能勢・ぎんぶなのうえんは、4月23日(日曜日)にオープンの予定です。

いっしょにあそぼうね!(by トノサマガエル)※昨年5月下旬に、能勢・ぎんぶなのうえんにて

コメント

PAGE TOP
⚠警告:非認証ユーザーのコピー行為はあなたにとって重大な法令リスクを伴います。