能勢・ぎんぶなのうえんだより(2024年2月11日)

このところ、暖冬の関係か、大気の状態が非常に不安定となり、「節分梅雨」といえるような悪天候が続き、悩まされています。現在、圃場は湿潤な状態であり、また、突然の雨の可能性もあり、大事を取って休むこととしました。とくに農繁期では苦渋の決断です。しかし、日に日に暖かくなっているのも事実であり、できるだけ前向きに捉えるようにしたいと思います。

今回は、初心者でも成功体験を得やすい、ぎんぶなのうえんおすすめの原種ダイアンサスをご紹介したいと思います。

ハイブリッドで判断するなかれ!原種ダイアンサスは凄いんです!

園芸店やホームセンターでダイアンサスやカーネーションをみて、「きれいなときはつかの間。あとは下葉が汚らしく枯れ込む。ダイアンサスなんて、そんなもんか」なんて思っていませんか?ヘンな鮒も、実は、そのように思い込んでいた頃もありました。しかし、そのような思い込みは、実際に原種ダイアンサスの実生を本格的に手掛けるようになってから、「なんてバカなことを!」といわんばかりに、スカッと吹き飛んだのでした。「これほどまでに逞しく、魅力の多いナチュラルガーデン素材が他にあるだろうか?」実は、原種ダイアンサスは、そんな凄い植物だったのです。

実は、ダイアンサスに対するネガティブ感は、温室の生ぬるーい環境で栽培されたハイブリッド品種についてのこと。ダイアンサスが早く育ちやすい、一見してよい環境と思える生産者の温室ですが、実は、ダイアンサスのためにはなっていなかったのです。そのような、生ぬるく育ったダイアンサスが、環境条件の厳しい園芸店やホームセンター、一般家庭に渡ると、どうなるでしょうか。それが、あの、納品直後の美麗さがウソのような「汚らしい姿」なのです。「大和撫子」という言葉があるように、ダイアンサスは、状態が良いときのその愛らしさから、よく「女の子」や「美女」に形容されますが、これではまるで、何でも欲しいものを買い与えられていて、突如として買ってもらえなくなると、駄々をこねては何もできずにダラダラしているような、だらしない女の子のようで、残念な感じですよね。

しかし、露地栽培の原種ダイアンサスは、ダイアンサスの本領を発揮するのです。能勢の夜間の激しい凍結を繰り返し、培土の表面はベッコベコ!それでも負けず、青々とシャキッとした葉をしっかり張って、春、一気に伸びるのを待っています。いわゆる「ドS栽培」ですね。実は、ダイアンサスにとっては、ちょっと可哀想だと思えるくらいの「ドS栽培」が向いているのです。とくに、秋播種の実生では、秋の間にいかに根張りを充実させておくかが成否を分けます。冬の寒さを感じて春に開花する性質の品種もあるので、開花に要する時間は長くなってしまいますが、春播種のほうがずっと楽ですね。「ドS栽培」で育成した逞しいダイアンサスは、クローブピンクのような芳香のある品種では、その開花した姿はまるで、生足むきだしのはだしで、こどものにおいをふりまきながら、木にかけのぼる、りんごほっぺのおてんばっ子のようです。(花の香りは、華やかなフローラルの香りに、野性味のあるばばっち感のある匂いが合わさった感じの香りです。)おてんばの勢いで大食いしておなかが痛くなってしまっても、芳しい香りのながーい極太うんちをもりもり出して元気復活、気づいてみれば、いつの間にか木の上に秘密基地をつくっていたり、村一番のガキ大将と相撲勝負していたり…金太郎が女の子だったような、そんな逞しさです。(笑)実際に、能勢・ぎんぶなのうえんに植栽した、実生で2年が経つダイアンサス(クローブピンク)は、株分けができるほどの超大株になっています。

能勢・ぎんぶなのうえんの原種ダイアンサスはこんな感じ(イメージ)

ちょっとしたポイントを押さえれば、感動の成功体験が得られやすい優良種

ダイアンサスは、一日中日当たりがよい、乾燥気味の水はけの良い場所を好み、過湿は嫌います。とはいっても、梅雨に蒸れて消えてしまうというような弱さはなく、そこにもダイアンサスの強さをみることができます。勢いよく育つ好条件の場所では、下葉が枯れ込んで汚らしくなるようなことはありません。(ぜひ、能勢・ぎんぶなのうえんでご確認ください。)ぎんぶなのうえんでの露地植えでは、植える場所には、植物性堆肥と苦土石灰、ようりんを十分に仕込んでいます。基本的にはこれでOKです。育苗時には肥料を多く要求しますが、一度開花株まで育つと、施肥はほとんど必要がないくらいです。追肥は植物性堆肥の追加と、必要に応じて、ようりんの追加や尿素・硫酸加里・硫酸マグネシウムをたまに与える程度です。ぎんぶなのうえんでは使っていませんが、白粒の緩効性化成肥料は、効きすぎによる失敗の原因になりますので、避けたほうが無難でしょう。

原種のダイアンサスは、種によって開花期がずれていますので、複数種を植えることで、春から秋まで長く楽しめます。例えば、D. plumarius(タツタナデシコ)で4〜5月ごろ、D. caryophyllus(クローブピンク)で6月頃、D. chinensis var. heddewigii(白覆輪黒花セキチク)で夏から秋にかけて開花します。しかも、開花していない間は10〜20cmで他種観賞の妨げにならず、開花しても、せいぜい高さ40〜50cmくらいで収まるので、前〜中景の主役として扱いやすい利点にも注目したいところです。

この記事をお読みになり、ぜひ、ダイアンサスを育ててみたいと思われた方は、銀鮒の里アカウントでログインしていただき、コメントをお願いします。そして、能勢・ぎんぶなのうえんに来園予約のうえ、ご来園ください。

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