能勢・ぎんぶなのうえんだより(2023年3月1日)

銀鮒の里アカウントでのログイン&この記事へのコメントで、ぎんぶなのうえん産のチトニア(品種名:トーチ)の種をプレゼント!
園芸初心者でも育てやすい強健種です。こどもの園芸教育にも最適!休耕地などに植えても素敵ですよ!
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珍しいオープンソースのお花と野菜ならぎんぶなのうえん!

いよいよ3月!春本番で、これから種まきラッシュがはじまります。2月中は、最低気温がまだ-5℃に達することもあった能勢ですが、来週からは、天気予報によると、最低気温も0℃以上に上がるらしく、種まきにおける凍結や低温の心配はひとまずなくなりそうです。

今年は、開園を控えて、スイカズラ科(旧マツムシソウ科・オミナエシ科)、キョウチクトウ科(そのうちの、旧ガガイモ科)、ナデシコ科、シソ科、キク科、アオイ科を中心に、他ではあまり栽培事例のない、多くの品種を導入します。非常に小さい北米原産の科であるリムナンテス科の花(ポーチドエッグ;通称:目玉焼き草)にも出会えますし、緑肥機能も期待される珍しいマメ科も栽培します。「目玉焼き草」は、ネモフィラ(インシグニスブルー)によく似た感じの小さい植物ですが、色は全く違うので、おもしろいです。とくに、温帯性の旧ガガイモ科(Vincetoxicum属)やアオイ科のラバテラは、日本国内での園芸での栽培事例が非常に少なく、園芸好きのご家族は見逃せないと思います。ほかにも、「こんなにニッチな種があったなんて!」と、驚きの連続だと思います。当園では、花はもちろんのこと、葉姿の美しさにもこだわり、種の選定を行っています。巷では、PWだとか、サントリーだとか、シンジェンタだとかいったような、権利を独占された、自由のない花が多くなっているなかで、当園では、すべて繁殖や採種が可能なオープンソース品種(原種・固定種)となっていますので、譲り受けてご自宅で栽培する場合でも、園芸の醍醐味を安心して、最大限にお楽しみいただけます。もう、わくわくが止まりませんね。ぎんぶなのうえんにあそびにきてくれたこどもが、将来は、能勢町で夢のあるプロの園芸農家やプロガーデナーになる希望が持てる、そんな農園をめざして、春の到来とともに、元気が出てくる毎日です。

※注意:PW、サントリー、シンジェンタなどの農林水産省種苗登録品種を権利者に無断で繁殖し、第三者に譲渡・配布する行為は種苗法違反となり、知らずに行ったとしても処罰の対象となります。農林水産省種苗登録品種は、近年、園芸店やホームセンター等に多く出回ていますので、十分ご注意ください。お花などを繁殖して、知人におすそ分けする楽しみ方をされたい方は、能勢・ぎんぶなのうえんで、合法的に安心してお楽しみいただけるオープンソース品種の苗をお求めください。

のらぼう菜のこぼれ種が教えてくれたこと

この写真の色が濃い目の大きな葉の植物はのらぼう菜ですが、これらは植え付けたわけではありません。すべて、昨季のこぼれ種から生えたものです。6月頃にかなりこぼれ種が落ちてから、これが大量に発芽し、7月にはすでに小苗ができていたのです。大根を植える予定があったため、耕起してほぼ全て除去することになりましたが、それでもこれです。のらぼう菜のこぼれ種の生命力には驚かされます。それも、秋に人為的に植える通常の作型よりも、育ちがよいのです。ちょうど1年前、のらぼう菜は弱々しい小苗でした。これが春になって一気に成長し、4月に入って遅めの収穫を迎え、それでも豊作だったのですが、今年は、こぼれ種苗の生育が非常に早く良好なため、もしかすると、1ヶ月くらい前倒しで収穫開始・採種になるかもしれません。これは、トマトや唐辛子などの夏野菜の栽培には非常に都合がよいといえます。昨季は、のらぼう菜の採種のために、夏野菜の植え付けを遅らさざるを得ませんでしたが、今年は、1ヶ月くらい前倒しできる可能性も見えてきました。そして、のらぼう菜は、採取して、まだ暑くならない6月から7月上旬くらいには、育苗箱に播種して、小苗を夏越しさせ、盆明けから初秋までに定植するという、寒冷地対応の作型、いわゆる「能勢式作型」を実践したいと考えています。実は7月蒔き、アブラナ科野菜ではよくあることで、栽培期間が比較的長い白菜やキャベツ、ブロッコリーなどがこれにあたります。のらぼう菜は耐暑性もあることもわかり、支障なく夏越しができる苗の場合は、6〜7月蒔きで秋に好成績が得られる場合が多いともいえます。奥にあるのは、採種用に残している田辺大根で、4月頃には、美しい白い花がお楽しみいただけるかと思います。おそらく、白花の田辺大根と黄花ののらぼう菜との共演になることでしょう。同じアブラナ科でも、属は異なるため、互いに交雑の心配はないと考えられます。

グラウンドカバー効果の活用による環境に優しい農業技術のすすめ

オオイヌノフグリなどの春草で覆われていますが、これは、ズボラでそうしているのではありません。能勢の冬、とくに夜間の冷え込みは厳しすぎて、草で覆われていない場合、土の表面が、凍結による水の体積膨張でせり上がり、畝の表面が激しく荒れてしまうのです。草が生えていると、極度の低温から作物を保護するマルチングの効果に加えて、根張りにより、土の動きが抑えられる効果があり、あえてそのようにしているのです。実際に、草を生えっぱなしにしておいた場所の作物の状態は、今冬の大寒波の襲来があった割に良好です。今季からは、ペニーロイヤルやローマンカモミール、クリーピングセイボリー(サツレジャ)による、病虫害予防や雑草生育抑制の機能を兼ね備えたグラウンドカバーを試す予定ですので、雑草の管理や暑さ寒さ対策もかなり楽になるかもしれません。とくに、ペニーロイヤルのマルチは、茎が柔らかく、茎の匍匐が非常に緻密なため、効果が高いうえに、植え付け穴の確保では、ポリマルチ感覚の扱いやすさがあり、かなり期待できそうです。ポリマルチでは、使用後に大量のプラごみが発生しますが、ペニーロイヤルマルチなら、張り替え時の廃棄はゼロにでき、植え穴作成で除去した苗は、他の畝のマルチに再利用でき、さらに、病虫害予防機能性も期待でき、SDGsに大いに貢献できる可能性があります。

オオイヌノフグリなどの春草で覆われた畝。グラウンドカバー効果で、土表面の温度低下を受け止め、作物を保護してくれているのです。今季からは、雑草をハーブなどのグラウンドカバーに置き換える、IPMを兼ねたフィールド実験を本格的に行う予定です。
-10℃に迫ることもある能勢の夜間の厳しい冷え込みで、葉の赤化現象が生じたのらぼう菜。寒冷地では、健康体で一般的に起こる現象で、生理障害ではありません。むしろ、昼夜の寒暖差が、近く訪れるであろう、のらぼう菜の花芽分化には好ましい影響を与えます。

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