【速報(第2報)】鹿児島県出水市でのHPAI3例目が確定、殺処分約47万羽、自衛隊災害派遣も

鹿児島県は、27日午前、同県出水市野田町の採卵養鶏場でAIの疑い事例が発生した件について、遺伝子検査の結果、高病原性のH5亜型のAIウイルスが検出され、HPAIの疑似患畜であることが確定したことを受け、同日午前8時から、この養鶏場の採卵鶏約47万羽の殺処分を開始すると発表しました。今回の事例では、約47万羽と規模が非常に大きいため、同県では初めて自衛隊に災害派遣を要請のうえで、殺処分が行われています。現在、殺処分が行われているとみられます。

【真の科学的視点】養鶏場が野鳥への感染拡大の可能性も:「トランジスタ仮説」の検証を

昨年、FMGでは、イスラエルのフラ渓谷で、AI感染による渡り鳥の大量死が問題となっていたという記事(2021年12月29日配信)を取り上げました。このことは、皆様の記憶にあろうかと思います。この場合に関して、イスラエル農務省は、使用羽数約50万羽規模の巨大養鶏場が、AI感染拡大の脅威ではないかとみていたという、日本の農林水産省や御用学者の定説で、思考停止の原因にもなっている「AIウイルスを持った野鳥が(場合によってはネズミなどの小動物を介して)養鶏場に持ち込まれる」という説とは真逆の考えを持っていました。このイスラエル農務省の仮説のことを、少量のウイルスを、工業的養鶏場大量に増殖させる様が、電子部品のトランジスタの信号増幅作用によく似ていることに喩えて、わかりやすくするために「トランジスタ仮説」と呼ぶことを、FMGでは提唱しています。

トランジスタ仮説の仕組みを具体的に説明しますと、次のようになります。

  1. AIウイルス(LPAIまたはHPAI)を持った野鳥(カラス、渡り鳥など)が養鶏場の近くに飛来する。
  2. AIウイルス(LPAIまたはHPAI)を持った野鳥が養鶏場敷地内に侵入するか、その野鳥から、ネズミなどの小動物を介して、少量のAIウイルスが鶏舎内に持ち込まれる。
  3. 鶏舎内の鶏は過度のストレスにより、いつ死んでもおかしくないほどに疲弊しており、免疫力が極限まで低下している。その瀕死の鶏が、通常では免疫力で跳ね返すことのできるはずのごく少量のAIウイルスに日和見感染・発病する。
  4. AIウイルスに感染した鶏から他の鶏に日和見感染することにより、急速に感染拡大する。LPAIの場合は、無症状で、感染や発病を見逃す可能性もある。その間に、LPAIに感染した鶏の体内では、LPAIがHPAIに変異する可能性もあり、新たに高病原性化したAIウイルスが生じ、それが感染を繰り返して、結果として、HPAIウイルスが宿主の鶏を介して養鶏場内で増殖することになる。
  5. 養鶏場内で増殖したHPAIが小動物や、養鶏場の周辺を徘徊するカラスなどの野鳥によって、野鳥の営巣地などに拡散される。
  6. 免疫力が高いはずの野鳥が、感染力の強いHPAIに感染し、野鳥の感染個体が発生する。とくに営巣地(ねぐら)では、強い感染力であっという間に感染拡大が起こる。
  7. その野鳥から、再度、(別の)養鶏場にAIウイルスが持ち込まれる。
  8. 1〜7を繰り返す。

少量のAIウイルスに日和見感染する様は、高感度のトランジスタの様に似ており、そのAIウイルスが、数百倍とも数万倍にも増殖して跳ね返ってくる様は、微弱な電気信号が、スピーカーを大きく唸らせる大電流に増幅されるトランジスタの増幅作用に似ているといえます。

野鳥や、自然の生態を尊重した、放し飼いの養鶏の場合は、免疫力は高い状態であると考えられ、AIウイルスには、そう簡単には感染しないと考えられます。イスラエル農務省の指摘を綿密に考察し導出されたトランジスタ仮説は、実は強靭な自然のシステムから考えれば至極妥当であると考えられ、今後、国や研究機関、自治体などによる調査検証が速やかに行われていくべきであると、FMGでは指摘します。

これからも、しがらみなしの農学博士号を持つ専門家が直接執筆するFMGでは、役所や業界の凝り固まった説で、社会が思考停止状態になることに強く反対し、定説をあえて批判し、別の角度から捉える科学的俯瞰を大切にした、唯一無二の質の高い科学報道に努めてまいります。今後とも、銀鮒の里アカウントでログインのうえ、知的で社会的な対話にご参加いただきますよう、ご理解ご協力のほど、よろしくお願いします。

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