日本政府が、韓国選手団が独自に開設した給食センターについて、「福島県産食品の風評被害が拡大する」として、僻みのクレームを入れていたことに関して、韓国のメディアは猛反発している。実質的に韓国に対して無用な喧嘩を売る、世界に恥ずべき稚拙な行為だ。
極右嫌韓圧力の影響か
右傾政権の宿命なのだろうか、隣国韓国の行動に関して、日本にその情報が入ると、しばしば事実に反した「韓国は何か変なことをしている」というバイアスが入る風潮がある。DHCのヘイトスピーチ問題のように、何かケチを付けないとすまないという層が、日本には根深く存在し、これが、日本から差別(レイシズム)が根絶されない要因となっている。とくに日本の体制(政権)側は右傾傾向にあり、さらにその中で個人差がある。よって、「日本が絶対だ、隣国はおかしい」という極右圧力も存在するとみられる。この幼稚なクレームは、日本の体制側にそのような圧力的思想があるのだと疑わなければ説明がつかないほどに不可解なものだ。そもそも、オリンピック・パラリンピックは、「世界の多様性を受容し、政治(的思惑)とは分離しなければならない」という大原則があるが、日本政府はその基本原則に開催国自ら違反したことになる。
独自給食センターは東京2020に限ったことではない
日本のメディアは、韓国選手団の独自給食センターの設置に関して、「福島県産など東日本大震災被災6県の食材を避けるため」と報じているが、これは事実とは異なる。なぜならば、韓国選手団は、アテネ、北京、ロンドン、ソチ、リオデジャネイロの歴代の各五輪大会でも、韓国独自の給食(独自給食センター設置は2008年の北京大会から)を提供する運動を続けてきたからである。このことから、韓国メディア(中央日報)は、食べ慣れた食事の提供で韓国選手団を支える思いやり運動に関しての日本政府の対応は「言いがかりも甚だしい」と強く反発している。独自給食センターの設置の意義は、逆の立場になれば、容易にわかることであり、海外に行った日本人が、和食が恋しくなるということはよくあることである。そのような自国民としての配慮は、逆に素晴らしいことであると敬意を表するべきことではないだろうか。またも五輪開催国日本は、多様性を否定する僻み根性を顕にすることで、国際社会の顰蹙を買うことになった。
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