【日本発・世界初】新しい環境配慮型農法の提案に:トウモロコシが分泌する生物的硝化抑制(BNI)物質を同定

国際農研と農研機構による共同研究チームは、トウモロコシの根から分泌される生物的硝化抑制(BNI(= Biological Nitrification Inhibitor);以下、BNI)物質を同定することに成功した。硝酸性窒素は、農作物への過剰蓄積による品質低下の原因になるだけでなく、地下水汚染や農地からの滲出による河川・湖沼等の水質汚濁、温室効果ガス(亜酸化窒素(N2O))による地球温暖化問題の原因として問題となっているが、この研究成果により、今後、トウモロコシを活かした、より健康的な農産物の供給と環境保全とを両立する農業技術の開発が期待される。

世界初 トウモロコシ根からの生物的硝化抑制物質を発見 国際農研×農研機構

BNI物質として同定された物質は、「ゼアノン」と命名された2,7-ジメトキシ-1,4-ベンゾキノンを含む4物質で、硝酸酸化細菌によるアンモニア性窒素の生物的硝化を抑制するという。もともとトウモロコシは高いBNI能を持つことが知られていたが、トウモロコシによる全体のBNI能のうち、ゼアノン等4物質によるBNI能の寄与率は45%にも及ぶことがわかったという。トウモロコシを農業に活かすことで、肥料成分としての窒素の流失とそれによる環境汚染を防止し、農地における窒素循環の改善につながることが示唆された。

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