【農学】化学肥料問題の本質(1)

化学肥料ならすべて問題か?

化学肥料といわれる肥料はすべて問題でしょうか。化学肥料の問題の本質を理解するには、肥料の化学とその生化学的挙動について正しく理解する必要があります。ここでは、植物栄養三大元素といわれる窒素(N)・リン(P)・カリウム(K)について述べます。

窒素の2つの形態

肥料としての窒素の形態には、アンモニア態窒素(NH4+-N)と硝酸態窒素(NO3-N)とがあります。化学肥料では、前者には尿素・硫酸アンモニウム(硫安)・リン酸アンモニウム(燐安)などがあり、後者には硝酸カリウムなどがあり、両方に該当するものには、硝酸アンモニウム(硝安)があります。例示したものでは、尿素以外はイオン性の無機化合物で、アンモニウムイオンがそのまま植物に吸収されます。尿素は葉面からはそのまま吸収され、根からは、土壌微生物の作用でアンモニウムイオンに分解されてから吸収されるとされています。アンモニウムイオンも土壌中に滞留しているうちに、土壌の硝酸菌の作用によって、硝酸態窒素に変換されることがあります。吸収は硝酸性窒素のほうが早く、肥大効果が大きいとされているため、野菜などの見栄えを良くするために意図的に使われることがあります。窒素はタンパク質や葉緑素の原料として不可欠であり、葉茎を育てる働きがあります。

(続く)

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