禁止の代案として、粉石けんの正しい使い方の普及を提言
FMGは13日、経済産業省製造産業局素材産業課に対して、ジェルボール型超高濃度合成洗剤の即時販売禁止を提言しました。これは、同省が5月16日に発表した、強力な磁力を有するマグネットセット玩具と吸水性ポリマー製のボール型玩具の販売禁止に関連し、政策上の整合性を保つ意味を含む戦略的な提言となります。
ジェルボール型超高濃度合成洗剤はP&Gが世界で初めて開発・実用化した、新しい形状の合成洗剤で、ポリビニルアルコールと推定される水溶性ポリマーフィルムに、水をほとんど含まない超高濃度(50〜70%)の合成界面活性剤を含む溶液を密封したものです。海外では、ジェルボール型合成洗剤の誤飲による死亡事故事例もあり、世界中で問題視されています。日本では、P&Gジャパン(神戸市)製の「アリエール」「ボールド」のほか、スーパーマーケット最大手のイオン(千葉市)のPB(トップバリュ)やホームセンター大手のコーナン商事(大阪市)のPB(ライフレックス)の商品なども存在しています。
FMGは、前述の禁止を決定した対象となる玩具を引き合いに出し、「対象の玩具を禁止する以上、複数の死亡事故事例がある、スーパーで一般的に販売されているもちやこんにゃく、りんごに至るまで禁止しないと説明がつかなくなる」と、当該の玩具の販売禁止の決定が、矛盾を含む失策であると指摘したうえで、「ジェルボール型超高濃度合成洗剤による危害(ハザード)は、(販売禁止を決定した玩具のような)誤飲にかぎらず、手で触れただけでも成立しうる。合成界面活性剤特有の特性上、ジェルボール型合成洗剤の表面には、内容物の合成界面活性剤の一部が滲出している可能性があり、『触った手で眼を触れない』の注意表記は、このことを想定してのことだ。とくに乳幼児は、ジェルボールを触れた手をなめることで、さらに予見しきれないほどに多くの危害が発生しうる。」と、ジェルボール型合成洗剤の法律での禁止の緊急必要性を、同省同課に対して訴えました。
さらに、(化学)製品による事故の防止に一般的にいえることとして、俯瞰的なリスクコミュニケーションやケミカルコミュニケーション、サイエンスコミュニケーションといったコミュニケーションが欠かせないことも指摘し、その一環で、対象の合成洗剤の規制の代案として、正しい粉石けんの使用方法を、国の政策としても啓発することの重要性も併せて訴えました。
経済産業省製造産業局素材産業課は、これらのFMG提言に対して反論することなく、聞き入れた模様です。FMGでは、今後も経過を注視していくことにしています。
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