大麦を取り入れた高繊維食のすすめ

ぜひ、見直してほしい食材に、大麦があります。実は、大麦は、他の食材にはない「スーパーフード」の特性をもっており、近年見直されつつあります。その根拠となるキーワードは、セカンドミール効果。セカンドミールとは、文字どおり、二度目の食事ということ、すなわち、昼食のことです。ファーストミールは朝食ということになりますが、朝食に大麦を食べると、昼食後にも好影響があるということです。その好影響とは、血糖値の安定です。

血糖値は、満腹感や眠気とも密接な関係があると考えられていますが、大麦には難消化性の多糖類であるβ-グルカンが含まれており、これが血糖値の急激な上昇を抑制し、安定に保つといわれています。実際に、著者も最近1ヶ月以上、麦味噌と玄米を取り入れたヴィーガン食を実践して、より少ない摂食量で満腹感が得られ、しかも、空腹になりにくく、疲れにくくなる変化を実感しています。また、高繊維食そのものも満腹感をもたらしやすく、大麦や玄米自体も食物繊維が多いことから、大麦と玄米を取り入れたヴィーガン食は、しっかりとした充足感が得られて続きやすい高繊維食であるといえます。以下に、大麦を取り入れたおすすめの食をご紹介します。

麦味噌は不可欠

麦味噌は続くヴィーガン高繊維食の基本といえるくらい重要な存在です。四国から九州で一般的な、大麦麹を使った麦味噌は、旨味がしっかりとしていながら自然な甘味があり、しっかりとした満足感を付与する、たいへん重宝する調味料です。麦味噌を食事に取り入れると、大麦のセカンドミール効果を手軽に取り入れることができます。

大麦入り玄米飯もおすすめ

しっかり吸水した玄米に大麦を半分から3分の1くらい入れて炊飯すると、ふっくらとした食べやすい食感になるだけでなく、フィチン酸(IP6)やγ-オリザノール、トコトリエノールなど特有の有用成分やビタミンB群を豊富に含む玄米と、β-グルカンを含む大麦との相乗効果が得られます。お勧めの食べ方です。

見直したいこどものおやつ「はったい粉」

はったい粉は麦焦がしや食べる麦茶といわれるように、焙煎した大麦を粉に挽いたものです。少量でも腹持ちがよく、甘味付けで糖分(粗糖)を加えても、糖の吸収が穏やかになるので、夕食までのおやつには最適です。スプーンにつけてなめなめして楽しめます。

大麦を取り入れた高繊維食でP型の腸内細菌叢を目指そう

小学生の大便中に含まれる腸内細菌叢を調査した研究報告で、日本の小学生のほとんどが、ビフィズス菌を多く含むBB型であることが示されています。BB型は動物性食品を多く摂取する食習慣が関係しているとされ、タンパク質や脂質の代謝機能が高くなるなど、よい点が多くある一方で、従来の野菜・穀物中心の健康的な食生活からの変化に伴って起こったことでもあることから、喜べない側面もあります。高繊維食の食習慣が定着している地域では、腸内細菌叢はプレボテラ菌が優占種となるP型が多く、昔の日本の農村では、P型の人が多かったとも考えられています。P型の腸内細菌叢は、食物繊維の消化能力が高いといわれており、血糖値の調節にも何らかの関与があるとも考えられています。一見すると、プレボテラ菌は、疾病のバイオマーカーのような存在であるという知見もあることから、ネガティブな印象を持たれるかもしれませんが、これまでの生活習慣病の常識を覆す可能性を秘めているとも考えられています。これからは、ビフィズス菌ではなく、プレボテラ菌でたくましいこどもを育てる時代が再来するかもしれません。

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