ふなあんの市民運動は、非営利公益の社会起業プロジェクトにかかわるものですが、非営利公益であっても、各主体のビジネススキルが非常に重要になります。
日本では、金銭的報酬のある企業や役所などでの仕事と、金銭的報酬がないか少ない非営利公益の真剣なボランティア活動との間に誤った差別意識をもち、後者を「趣味の延長」であるかのように卑下する人が多いようです。このことは、日本が欧米と比べて、市民運動文化の発展で大きく差をつけられている根本原因となっています。少なくともふなあんの市民運動(銀鮒の里学校の学校づくり、里山コミュニティの創造、農業・園芸などの社会起業支援など)は真剣な運動であり、日本人の多くが持つ「趣味の延長」のような発想は一切ありません。金銭的報酬の有無に関係なく、ビジネススキルが重要であることには変わりはありません。なぜなら、いわゆるビジネススキルとは、金銭的報酬のあるビジネスのためだけのスキルではなく、相手や団体、社会といった他者を思いやる、各主体の社会人として当然求められる人間性を磨くスキルだからです。
それでは、ふなあんの市民運動で重要となるビジネススキルのなかから、市民運動で軽視されがちでとくに注意が必要な例について説明します。
ビジネスメールのしきたり
日頃からビジネスメールのしきたりをわきまえている方には、説明の必要がありませんが、市民運動に関わる方の間では、ビジネスメールのしきたりをわきまえておらず、商業SNSのコミュニケーションの延長のようなものだと誤解したり、公私混同をされているのではないかと思われる失礼なメールを送られる方が多くみられ、ふなあんでは非常に困っています。ビジネスメールの基本的なしきたりは、下記のとおりとなります。
- 身元確認を経ていないフリーメールや捨てメールアドレスは絶対に使用しない。ISP発行のメールアドレスや、所属団体独自ドメインのメールアドレスといった、信用の高いメールアドレスを使用する。
- 表題(Subject:)は、本文の内容が一目でわかるような具体的なもの(例:第1回SDGsワークショップの骨子案について)とし、「〇〇(発信者名)です」のような内容の意味を含まないものは使用しない。
- 本文の冒頭には、宛先の団体名・部署名・担当者名を必ず明記する。
- 本文は文語調で書き、話し言葉は使用しない。
- 連絡したい内容を相手に確実に伝えるのが目的なので、意味のある長文は歓迎だが、無駄な長文は避ける。とくに、意図が伝わらない極端な短文は厳禁。
- 本文の最後には、差出人の団体名・部署名・担当者名を必ず明記する。(Mozilla Thunderbirdなどで定形フッターを作成しておき、メールソフトの機能で、目的に合ったフッターを自動付加することが望ましい。)
- 添付書類の形式は、宛先の使用環境に配慮した、オープンソース・ソフトウェアのファイル形式にする。(宛先の編集の必要がなければ、PDF形式が無難。)
「他者貢献は自己研鑽だ」という利他指向のマインドセット
ビジネスにしてもボランティアにしても、自己(各主体)の独占的利益を最重要視して動く人が多いですが、これではダメです。このような指向では、自己への甘えを口実にして、持続しないことが多いからです。持続したとしても、他者をよろこばせようという揺るぎない思いがなければ、社会起業の市民運動としては、意味のないものとなります。社会起業は、「閉店したらそれまで」というような、営利事業ではなく、崇高な公益的理念のもとで動くものです。人はもちろんのこと、動物や植物なども思い(生きもの福祉)、やさしく寄り添うことのできること、他者のよろこびは、自身のよろこびでもあり、やりがいであるという、利他至上指向のマインドセットを持つことが、社会起業の市民運動では大前提となります。
常に考え、「誰もしていないことをやる」というものづくりエンジニア気質(ヘンな鮒気質)
ふなあんの社会起業は、社会に唯一無二のイノベーティブな価値を提案するということを大切にしています。
よく、「普通は…」という人がいますが、この一言は、思考停止であることを見抜かれてしまう、絶対にしてはいけないコミュニケーションです。ふなあんでのコミュニケーションでは、「普通は…だ」という一言で凍りついてしまいますが、その責任は発言者にあります。人それぞれ価値基軸が必ずしも同じではないという多様性の尊重が求められるなかで、「普通は…」という表現は、きわめて独善的であり、自己の価値基軸を押し付けていることになります。そして、「普通は…」という人にかぎって、視野が狭く、価値基軸がたやすくへし折られるくらいに脆弱だということもいえます。「普通は…」という独善的な発言には意味がなく、思考停止でイノベーションを起こせない雰囲気をつくってしまいます。他のコミュニティでもいえることだと思いますが、理系のエンジニアが発起人であるふなあんでは、誰もしていないことをやる、イノベーションの原動力となるような、ものづくりエンジニア気質をもった「ヘンな鮒」を求めているのです。
まずは阻害要因を除去する(清浄確認をする)
ふなあんでは、自己やその周囲の成長を妨げることを特定阻害要因として禁止しています。具体的には、次のようなことになります。
- 反社会的勢力や社会的通念上好ましくないとされる勢力(カルト教団、ニセ科学団体等)との関係
- 連鎖販売取引
- 自己の身体の損傷や環境汚染を伴う身体加工
- 使用意義を説明できないような化学物質の乱用(合成洗剤・柔軟剤など)
- 非医療目的・非食品の向精神性薬物の使用およびそのような行為を助長するような食品・製品の使用
- 有害文化に関する消費行動(ジャンクフード、商業ゲーム等商業的な娯楽、ギャンブル等)の煽動
- その他、ふなあんの社会起業市民運動の障害となるすべての行動指向
脱依存の自創指向
他者(とくに商業的な企業やその商品)に極力依存せず、自ら価値創造ができるスキルの向上、これは、ふなあんが常に追求いることであり、社会・地球・宇宙におけるふなあんの重要な存在意義です。ふなあんでは、他者依存ありきが前提の人はいりません。なぜなら、そのような指向は、ふなあんの目指すことに反する指向であり、さまざまな意味でのイノベーションの足かせになるからです。
社会・地球・宇宙をよりよくするために、私(たち)にできること、すべきことは何か。
そのことによって、どのような価値が創造されるのか。
そのようなことを常に熟考できるような人が、ふなあんをはじめとする社会起業の市民運動コミュニティで求められる人間像となります。例として付記しておくと、いわゆる「スピリチュアル系」といわれる人(そのような活動を好む人)には、内面に依存したいという心理があり、メンタルが弱い人や、理系に疎い、知的生産性が低い人に多くみられる指向ですので、そのような傾向がある人は、ふなあんのようなイノベーティブなコミュニティでは大きなマイナス評価となることを心得ておくべきです。
このほかにも、重要なビジネススキルは多くあります。ふなあん特有のしきたりもありますが、基本的には、企業や役所で一般的なスキルとの共通点が多いですので、ビジネススキルの各種講座やビジネス書籍、ビジネススキルに関するウェブサイトや動画などを参考にして、自分磨きをすることは、ふなあんの市民運動でも非常に意義深いことです。すでに企業や役所などでの就業経験がある方はもちろんのこと、ビジネススキルの飲み込みが早く、自己研鑽意欲(ポテンシャル)が高い人の参加を、ふなあんでは歓迎しています。あなたもぜひ、銀鮒の里アカウントを取得して参加してください。
☆あなたのビジネススキル向上をサポートする銀鮒の里アカウントの取得はこちらから(もちろん、学校教職員や公務員の方も大歓迎)
https://ginbunaschool.funaan.org/account/information.html
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