地力を向上し圃場衛生を守る化学農法
「化学肥料は危険」だとか、「化学肥料を使った野菜を食べると化学物質過敏症を発症する原因になり危険」だとか…聞いたことはありませんか。
このような「化学肥料危険説」は、化学的根拠を説明できない、悪質なデマです。
「化学」とつくものは何でも無条件に、頭ごなしに否定する人、いませんか?そういった、化学的根拠に基づかない、化学に疎いからこそでっち上げるような、偏見に満ちたデマに、化学農法の実践者として、憤らずにはいられません。
能勢・ぎんぶなのうえんのように、耕作放棄地だった農地を再生する場合、化学肥料や天然鉱物由来の無機質肥料の力は欠かせません。有機肥料の代表格、植物性堆肥は、肥料分としては非常に希薄でおまけ程度しか含まれておらず、実際には、土壌の物理性や生物性を改善する資材と割り切って使用しています。(逆に、そのような効果を化学肥料で得ることはできませんので、堆肥の使用は必須です。)一方で、化学肥料の場合は、肥料成分含有率ベースで、堆肥の10倍以上の施肥効果があるうえ、速やかに効果が現れますので、化学肥料の施肥は、非常に現実的なのです。
動物性堆肥の場合、家畜や家禽に由来する腸内常在菌由来の食中毒原因菌や薬剤耐性菌、飼料に混入された殺虫剤、除草剤成分などによるコンタミネーションが問題になることがあることは、これまでにもFMGで報じてきました。これらの動物性堆肥に起因するコンタミネーションが重篤な疾病、最悪の場合は生命の危険にも関わることがある一方で、化学肥料の施肥に起因するリスクといえば、せいぜい、窒素施肥過多時に起こりがちな硝酸塩の大量残留による硝酸塩に起因する健康リスク程度、しかも、少量の硝酸塩の摂取は、体内で血管拡張効果がある一酸化窒素を生成することで、血行を促進し、健康によい影響をもたらすともいわれるほどです。野菜からの(亜)硝酸塩の非意図的摂取の機会は多いですので、そのことを計算に入れれば、亜硝酸塩を添加した加工肉を意識的に避けなければ、すぐに摂取過多になってしまうであろうことは、容易に想像できるのではないかと思います。化学肥料や無機質肥料を上手に活用し、動物性肥料を一切使用しない化学農法で生産された農産物は、有害微生物や有害化学物質によるコンタミネーションを最小限にしつつ、作物本来の風味を最大限に引き出すような施肥が行われているため、ほんとうに安心して、おいしく味わうことができるというわけです。
固定観念に基づく化学バッシング、化学に対する偏見を、FMGは許しません。これは、農業者の大多数も同意のはずです。
毎日、いつでも欲しいときに欲しいだけ、安心して、おいしい野菜を食べられるのは、実は化学肥料のおかげなのです。当然のことですが、現行の有機農場の多くは、化学肥料の使用歴があり、長年にわたる化学肥料成分の有機化と有機物土壌還元の繰り返しによって、地力を高め、化学肥料を施肥しなくても肥料分を自給できるシステムを確立できているからこそ、今現在、有機農法を実現できていることを忘れてはなりません。
化学のいろはも知らないと思しき人が、YouTubeや商業SNSなどで言いたい放題言っているようですが、すべて忘れてください。そして、あなた自身が能勢・ぎんぶなのうえんに足に運んで、あなた自身が、ほんものの農業とはなにか、考えながら感じ取ってください。近江商人の心得十訓にもあるように、能勢・ぎんぶなのうえんは、「あなたが好みそうなこと」ではなく、ためになるほんものをお伝えしたいと考えています。ぜひ、銀鮒の里アカウントをご取得いただき、ご予約のうえでご来園ください。
コメント