米国でメロンを原因としたサルモネラ食中毒

有機肥料が原因か

米国でメキシコ産のメロンを原因食品としたサルモネラ食中毒が発生しています。原因食品のメロンは、メキシコ産のカンタロープというマスクメロンの品種ということです。現時点では、サルモネラ属細菌で汚染された原因は不明ですが、サルモネラ属細菌は家畜や家禽の腸内常在菌であることから、メロンの栽培で家畜糞尿堆肥が使用され、それに由来するサルモネラ属細菌で汚染されたという可能性をFMGでは指摘します。

とくに注意したいのが、有機野菜(果実)の生食です。以前、FMGでお伝えしたことがありますが、米国では、野菜の生食を原因とした食中毒はよく起きているといい、社会問題にもなっています。そこで盲点となるのが、有機農法で使用が認められている家畜糞尿堆肥を使用した有機農産物です。日本国内では、現在のところ、使用した肥料の種類についての表示義務は一切なく、せいぜい、特別栽培農産物で、窒素成分を慣行比でどの程度削減したかという表示程度にすぎません。これでは、家畜糞尿堆肥を使用したかどうかは、消費者からはわかりません。「有機=安全」と決めつけてしまうことが危険であるという、「有機安全信仰」の盲点をつくことといえます。農産物、とくに、家畜糞尿堆肥への使用比率が高いとみられる、認証ラベル貼付の有機農産物には、家畜糞尿堆肥使用の有無についての表示を義務化すべきといえます。有機農産物などを買い求める際には、注意しましょう。

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