【ココア問題】大丈夫か日本のデジタル政府

厚生労働省渾身の作であるはずの新型コロナウイルス感染者接触確認アプリ「COCOA(ココア)」の不具合が大きな問題となっている。おもにスマホでの利用を想定しているのだが、シェアのほとんどを占めるGoogleのAndroidとAppleのiOSの最新バージョンに対応していない状態が数か月もの間放置されていたというのだ。

平井デジタル担当相「余裕なかった」 ココア未対応で釈明 | 毎日新聞

こういう状況だから、当然、セキュリティなども気になる。クラッカーは、システムやアプリの脆弱性を虎視眈々と狙っている。とくに、管理がズサンなアプリなどは攻撃の格好の標的だ。ココアのようなアプリは、ユーザーが意識しないときにも常にバックグラウンドで稼働する常駐型だからこそ意味のあるものであるが、常駐型は、システムの機能の一部であるかのように、たいていの場合、システムに深く食い込んで動作する。業務ツールとしても使うスマホやパソコンでは、センシティブ情報についても多くの行き来があり、システムと一体となったアプリの脆弱点が引き金となって、センシティブ情報がダダ漏れになる懸念もある。ココアの特性上、感染者などの個人認識とその通知が目的であるから、プライバシーの問題も懸念され、使用しないことを強く推奨してきたが、その疑念が、今回の対応の遅れ放置の問題でより一層強いものとなった格好だ。

日本政府のDXに向けての動きの問題はそれだけではない。以前から問題として訴えている「Linuxシカト」といえる問題も、国民全体の奉仕者として、許しがたい問題だ。例えば、国政へのパブリックコメントの窓口でおなじみのeGov(イーガブ)の送信受付フォームで、Linuxからの送信ができないバグを放置していたり、文部科学省のGIGAスクール構想の教育用パソコンの仕様で、Chrome OS以外のLinuxについて一切言及されていないことなどを確認しているが、これらは氷山の一角にすぎないと思われる。国はマイナンバーカードの普及に力を入れるが、サポートに電話をしても、電話対応の方が「Linuxって何ですか」とたずねるお粗末ぶりである。あの菅首相とビル・ゲイツとの電話会談の様子がフラッシュバックしてきそうだ。このように、国はIT大手の言いなりになっているのではと疑わずにはいられない実態があるのだ。

政府への手続は手堅いデジタルで

著者は現状ではデジタル政府は懐疑視している。前述のように、デジタルリテラシーがきわめて低い実態があるからだ。例えば、パブリックコメントの意見提出の場合は、SSL対応の電子メールで省庁の担当のメールアドレスに直送したうえで、電話で送信確認をするようにしている。政府側が設置するフォームやアプリ利用といった独自のシステムの利用は疑問が残るが、汎用性のある電子メール直送であれば、送信先のデジタルリテラシーが低くても、確実に送り届けることができ、送信側が正しい操作をしていても届かなかったり、セキュリティの不安があったりという理不尽を確実に防止することができる。DXそのものは社会全体として推進すべきであり、国民が日本政府のデジタルリテラシーを高めていく意味からも、国民側からのDX実行は進めていくべきである。

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