名古屋駅前の「勝手にアドプト運動」、市長は理解

JR名古屋駅前の超一等地の公道に変化が起きている。突如として、トマトやナスなどの夏野菜の畑が、公道の歩道脇の空きスペースに現れていると、東海テレビ(フジテレビ(FNN)系列)が報じた。

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この場所は、名古屋市が管理している場所であるが、この「公道野菜畑」は、70代の男性が市に無断で管理しているといい、管理を担う名古屋市の中村土木事務所維持第二係は「道路交通法に違反するおそれがある」として、看板で撤去を促していた。野菜畑を管理する男性は、「(『公道野菜畑』が出現する前は、)ゴミのポイ捨てがひどく、草も茂っていた」と、市当局によるズサンな管理の現状を訴えており、男性の「荒廃した現状をなんとかしたい」という想いがうかがえる。また、この「公道野菜畑」に関しては、1円も受け取っておらず、完全無償のボランティアであることも訴えていた。

ところが、河村たかし名古屋市長は、市当局の警告に同調すると思いきや、意外な反応を示したのだ。なんと、

「そんな水くさいことを言ったらダメ。市民のための公共の場所で夏野菜ができるなんて楽しくて素晴らしいではないか。なぜ規制するのかわからない。見守るどころか、応援したいですわ。」

という旨のコメントをし、「公道野菜畑」の「勝手にアドプト運動」に理解を示したのだ。その市長のコメントの後、市当局の硬直した対応は一転、看板の文言を「撤去通告」の高圧的な内容から、「この野菜を植えた方はご連絡ください」という、対話の意向を示す文言に変えられた。市長命令があったのだろうか、その文言通り、市当局は、野菜を植えた70代男性から、詳しい話を伺いたいと、態度を180度変えている。

名古屋市は、2014年に、国際会議である「持続可能な開発のための教育(ESD)に関するユネスコ会議」が開催された、岡山市と並ぶ日本国内のESDの先駆けとなった象徴的都市のひとつとしても知られている。

銀鮒の里学校も賛同

市民(民間)発意のアドプト運動は、大阪府に拠点のある銀鮒の里学校(ふなあんSEPC)も行っていることであり、この名古屋市の事例も、好意的に捉えている。ただ、市民発意のアドプト運動は、地域によって、その理解に温度差がある。例えば、大阪府では、公道への花の植栽やプランター設置などの市民アドプト運動には行政等の理解もあり、よく行われているが、県境をまたいで兵庫県に入った途端に、雑草やゴミだらけの荒れ地が多くみられるようだ。兵庫県川西市の猪名川河畔の草刈りや不法投棄予防啓発は、管理者である兵庫県宝塚土木事務所が放置してきた実態を憂慮し、兵庫県や国土交通省猪名川河川事務所などに相談のうえ、銀鮒の里学校が自発的に行ってきたものだ。

市民アドプト活動は、市民コミュニティの魅力向上による活性化や治安の健全性維持に結びつく、とても崇高な市民運動であり、各地で推進されるべきであると、銀鮒の里学校は考えている。しかしながら、「勝手にアドプト運動」になると、管理者である当局側に杓子定規な対応で否定され、その地域の理解が不足していると、無用なトラブルを招く残念な結果になる可能性もあるため、気になることは、管理者である自治体などの当局側に相談し、同意を確認したうえで行うことをおすすめする。気にはなっているが、どうしても踏み出す勇気が出ないという場合や、当局側が理解してくれないという場合には、ぜひ、銀鮒の里学校に相談していただきたい。無料で取得申請・利用ができる銀鮒の里アカウントを取得した方であれば、市民発意のアドプト運動に関するさまざまなステージでの相談だけではなく、お住まいの自治体等との交渉のコーディネートの要望にも応じることができる。あなたのその一歩を踏み出す勇気を、銀鮒の里学校はバックアップしている。

【参考】銀鮒の里学校の猪名川河畔の草刈りや不法投棄予防啓発に関する記事の例
https://media.funaan.org/sustainability/2022/02/14/%e4%b8%8d%e6%b3%95%e6%8a%95%e6%a3%84%e3%81%8c%e7%9b%b8%e6%ac%a1%e3%81%90%e7%8c%aa%e5%90%8d%e5%b7%9d%e6%b2%b3%e7%95%94%e3%81%ab%e3%83%97%e3%83%ac%e3%82%a4%e3%83%91%e3%83%bc%e3%82%af%e3%82%92%e3%81%a4/
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銀鮒の里アカウントの取得申請(無償)
https://ginbunaschool.funaan.org/account/information.html

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