地力向上にも効果的!のらぼう菜
休耕状態が続いたやせ地や、有機栽培への転換を目指している農地の有機物循環サイクルを起動・活性化させるのに有効な、緑肥機能も優れた伝統野菜があります。それが、以前ご紹介したのらぼう菜です。
アブラナ科ののらぼう菜は、茎が柔らかくて比較的筋が少なく、風味もしっかりとしており、野菜として非常に優れた品種特性を持っていますが、アブラナ科野菜(大根、蕪、菜花、キャベツなど)は、土壌から比較的多くの窒素や硫黄を吸い上げる特性があるため、堆肥が腐熟しやすく、半年程度で、良質の堆肥ができ上がります。しかも、窒素分が比較的多いためか、腐熟しづらいイネ科などの強靭な繊維質が多い雑草の腐熟も促進する効果があるようで、堆肥づくりでありがちなC/N比問題の解決にも有効なようです。のらぼう菜や田辺大根、天王寺蕪の残渣を積み上げた場所では、雑草だけを積み上げた場合よりも、かさの減りが早くなる傾向があります。草堆肥をつくる際にも、実はたいへん重宝しています。
緑肥機能が優れた緑肥作物の多くは緑肥機能に特化し、食用には適さないため、土壌改良効果は高くても、何か損をしたような感じも否めません。ところが、こののらぼう菜は、野菜(菜花)の大量収穫も得られ、菜花の収穫が終わったら、大量の種子の収穫と堆肥の原料が収穫でき、半年後の秋には、より肥えた畑で、よりよい状態で耕作ができます。しかも、こぼれ種発芽性が高く、ズボラ農業にも対応、自然農法を確実に実現したい方にイチオシの品種でもあるのです。
イタリア野菜畝、順調に生育中!
イタリア野菜のカーボロネロ(黒キャベツ)とチコリ(品種:ローザ)、バレリアンを植えたイタリア野菜畝の第1畝の状態がとても良好です。元肥には植物性堆肥と苦土石灰、ようりん、珪酸加里を、追肥は硫酸アンモニウム(硫安)のグラジエント施肥の窒素後追い・低窒素施肥を行っています。窒素以外の養分は、おもにく溶性肥料の特性を活かし、長期間土壌に貯留し、効果に切れ目がないように工夫する一方で、窒素は、速効性のアンモニア性窒素を、活着・成長段階に合わせてグラジエント施肥を行うことで、十分な窒素分を確保しながら、土壌中には長期間残留しない完全消化を意識した施肥を行っています。電解質濃度が高くなりすぎることに起因する塩類障害(高EC状態)を予防しながら、イオンバランスを緻密に予測する施肥によって肥料の効果を最大限に引き出す、能勢・ぎんぶなのうえんのイオン制御技術も活きています。窒素以外を高機能性のく溶性元肥にすることで、追肥は基本的には窒素肥料の硫安だけでよくなり、施肥の省力化と施肥効率の改善が実感できます。花卉複合で多様な手作業を同時進行しなければならない能勢・ぎんぶなのうえんではとても助かっています。
イタリア野菜第2畝には、カーボロネロとチコリ(品種:カステルフランコ)を植えていますが、第1畝と比べて、生育が約1ヶ月程度遅れています。こちらも、第一畝と同様の施肥体系で管理しています。まだ小さいですが、窒素の重点施肥の甲斐あって、第1畝に追いつくべく、成長に勢いがついてきています。
第3畝には、なにわ伝統野菜の田辺大根と、同じくイタリア野菜のサラダバーネットが植わっています。大きいものは2年もの(2021年植え付け)で、かなり貫禄があり、収穫サイズも収量もそれなりに多くなっています。宿根性野菜の力を感じます。サラダバーネットは、ワインの味にも負けないほどの独特の香りと程よいタンニン感があります。例えば、レタスやチコリ(トレビス)をベースとしたサラダに少し加えるだけで、特有の風味が生まれ、同じく独特な強い風味があるブルーチーズ(青カビチーズ)ともよく合います。「サラダには軽快な味わいの白ワイン」がペアリングの一般的なセオリーになっているようですが、能勢・ぎんぶなのうえんでは、しっかりと主張のある風味が楽しめるフルボディ志向の品種選定と、その食味を引き出すような栽培管理を行っていますので、フルボディの赤ワインでも合うようなイタリア野菜づくりを目指しています。
イタリア野菜は、サラダバーネットは今、旬を迎えており、チコリとカーボロネロは、早いものでは、クリスマスシーズンの12月中〜下旬には収穫できるかと思います。欲しい方は、銀鮒の里アカウントを取得・ログインしていただき、欲しい気持ちをお伝えください。正直で真面目な方にお分けしたいと思います。今年は、能勢・ぎんぶなのうえんのイタリア野菜で、おしゃれなクリスマスをお楽しみください。おしゃれなクリスマスをお楽しみいただけるよう、真心を込めて育てていますので、楽しみにお待ちください。
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