「バンテリン」「キューピー」「ウナ」「コルゲン」のOTC医薬品ブランドやマスク、双眼鏡などで知られる専門商社大手の興和(名古屋市)が、大幸薬品(大阪市・大阪府吹田市)の雑貨品「クレベリン」にかかる過剰広告や行政処分で、同社に損失を与えたとして、大幸薬品の柴田仁会長を相手取り、95億円の損害賠償を請求する株主代表訴訟を起こしたことが、19日の被告側の発表でわかりました。大幸薬品の「クレベリン」をめぐっては、消費者庁から空間除菌を標榜することに科学的根拠がないとして、再三にわたり景品表示法に基づく措置命令を受けてきたことでよく知られていますが、大幸薬品は、この命令を無視するかのように、ドラッグストアなどの店頭で雑貨品「クレベリン」の派手な販売を続けてきたことが問題視されてきました。興和は大幸薬品の株式の約3%を保有する、大幸薬品の株主のひとつです。FMGの市場調査でも、行政処分の直後は、ドラッグストアなどの店頭から「クレベリン」が姿を消す店舗がほとんどでしたが、最近は、販売を再開している店舗が増えている実態を確認しています。
【関連】クレベリン競合の大木製薬には資本金の半額を超える課徴金命令
消費者庁は17日付で、大幸薬品の競合にあたる大木製薬(東京都千代田区)に対して、同社が販売する空間除菌雑貨「ウイルオフ」の広告宣伝行為に対して、景品表示法に基づく課徴金納付命令を発出しました。課徴金対象期間は令和元年12月10日から令和4年1月19日までの間で、課徴金総額は、同社の資本金(9,000万円)の半額を上回る4,655万円です。
国として空間除菌の総締め出しに全力
二酸化塩素などの薬剤の揮散による空間除菌・ウイルス除去には科学的根拠は認められておらず、空間除菌の有効性を標榜する行為自体が違法行為の疑いがもたれています。さらに、化学的に活性な気体への日常的曝露に健康被害の懸念もあることから、日本の厚生労働省や米国のCDCなども、空間除菌(商品)は公共施設などでの使用は不適切であるとして、非推奨(使用すべきではない)としています。そのため、いわゆる空間除菌商品は、医薬品や医薬部外品の承認を受けられておらず、法の網をかいくぐる闇の雑貨品として販売されている実態があります。
このように、国(日本国内で)も海外の国でも、空間除菌の効果は科学的に否定されていますので、絶対に購入したり使用(設置)したりしないよう、十分ご注意ください。
このような場合はFMGに通報してください!
国の規制情報の情報共有の不備のため、公共施設でも空間除菌商品が設置されていたり、空間除菌を期待するとみられるニセ科学行為があることが問題視されています。このような行為は、来館者や施設利用者の健康被害の原因となる懸念もあります。万が一、公共施設で空間除菌信奉とみられる一連の不適切行為を目撃した場合は、直ちにFMGまで通報(情報提供)してください。通報いただいた情報は、FMGで事実確認のうえ、是正に向けた適切な対応をいたします。間違っていても構いません。判断に迷う場合も、まずは通報(情報提供)をお願いします。
※注意:公共施設等のニセ科学被疑行為そのものは、そのような行為を直接取り締まるための法的根拠が乏しい場合が多いため、消費者センターや警察などに通報しても相手にされない場合が多くあります。このような、いわゆるグレーゾーン行為でお困りの場合は、FMGのような民間の市民公益活動体をご活用ください。是正に反映されるよう、公共機関等に適切に情報連携等をいたします。通報者の信頼確保のため、銀鮒の里アカウントの取得・ログインをお願いします。
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