エリシマムに花芽があがっています!
連日、能勢町は最低気温が−5℃にも達する状況が続いています。豊中では霜すら降りず、最低気温が0度を下回ることもまれで、ブラジル南部原産の温帯性シンニンギアや中国南部が原産のプリムリナが屋外で余裕で越冬する状況ですが、能勢のぎんぶなのうえんでは、夜間の温度は、東北南部にも匹敵する冷え込みです。水の過冷却温度(-4℃)をも下回るとみられる温度にも達し、激しい凍結を繰り返した結果、毛細管現象で土の表面がスポンジ状にせり上がり、10月中旬以降に播種した幼苗が根こそぎ抜かれてしまいました。そのため、春の蒔き直しを余儀なくされてしまいました。少なくとも、豊中くらいの温度水準にするために、凍結防止のハウスを建てることも検討しています。
一方で、能勢・ぎんぶなのうえんが力を入れるワイルド・アニュアルズ(原種一年草)のひとつ、エリシマム・アリオニー(ウォールフラワー)’シベリアンオレンジ’には、まだ残暑が残る9月上旬から播種・育苗を進めてきた群で力強い花芽があがってきています。11月までに一旦成長が完了し、現状維持のような状況がつづいていたところ、正月明けには、花芽が確認できたのです。このように、冬季の低温に一定期間以上あうと、花芽分化する性質がある植物は、アブラナ科植物には多くあり、エリシマムもそのひとつと考えられます。原種ですので、採種しても、変異が起こらないかぎり、形質が維持されます。採種が順調に進めば、来季には、営業生産品目のひとつにする予定です。今季(今春)には、能勢・ぎんぶなのうえんでお楽しみいただける予定ですが、来季には、あなたのお庭でも、能勢・ぎんぶなのうえんの元気な農薬不使用苗から育ったエリシマムが賑わせてくれるかもしれません。ぜひ、ご期待ください!
試験栽培品種、続々!「失敗から改善へ」の繰り返しも
1月は農閑期ですが、農家は決して暇というわけではありません。1月は、迫りくる春からの農繁期に向けて、導入する品種の選定や新規導入品種の仕入れ作業など、今やらないと手遅れになってしまうような作業に追われています。園芸通の方であれば、ご察しのこととは存じますが、いま、にわかに(統合後の)スイカズラ科が注目されつつあります。旧マツムシソウ科のスカビオサやナウティア(クナウティア)、旧オミナエシ科のバレリアナやセントランサスなど、独特の造形美が魅力的な、植物の魅力を端的に凝縮したような、「これぞ、宿根草!」といえるような植物が集まった、園芸の魅力を格段に拡げる非常にポテンシャルが高いグループになります。そんなスイカズラ科植物を、2023年春のシーズンには、数多く導入する予定です。
実は、このスイカズラ科、発芽・育苗や夏眠などのいくつかのステージで何かとクセがあるグループで、ぎんぶなのうえんでも、何度も失敗の連続でした。例えば、バレリアナでは、発芽に最短でも3週間を要したり、スカビオサは苦土欠乏で生長に遅れが出やすいなどです。バレリアナは、秋に早まきすると、苗立枯れ病に冒されやすく、遅くなると、発芽はしやすいものの、冬に凍結すると、前述のような被害にあい、ややこしいことになります。そのうえ、冬の寒さで生長が止まり、目に見えて成長する他の植物の姿に慣れていると、モヤモヤさせられたりもします。そこで、万全を期するために、バレリアナやスカビオサは、春のできるだけ早いうちに再度播種し、種まき用土にようりんを混和しておくことで、初期生育対策を講じたいと考えています。よく、種まきは無肥料で行うことが常識とされていますが、これはあくまで、窒素分や水溶性成分についてのことなのであって、予め種まき用土には、他の栄養分利用の下支えとなる苦土(マグネシウム)や石灰(カルシウム)分を混和しておくと、初期生育が良好になり、生長遅延の原因のひとつを解決できることがわかっています。種によって、土壌酸度の好みは異なりますので、種によって適する苦土・石灰資材が異なることもあります。「(とくにスカビオサの)種まき用土には苦土や石灰分を」このことは、ぎんぶなのうえんの失敗・成功経験から皆様に伝えておきたい園芸・農業の新常識のひとつです。
園芸でなにか知的な刺激を渇望していて、よそのガーデニングとは大きく差をつけたいと狙うそこのあなた!そんなあなたこそ、能勢・ぎんぶなのうえんの提案するスイカズラ科園芸で、わくわくを共有しませんか?園芸・農業で社会起業する人を育てる教育農園でもありますので、ぜひ、お子様連れでご来園ください。
ご来園・園芸体験は会員・完全予約制です。銀鮒の里アカウントを取得のうえ、お気軽にご相談ください。
BGM: パステルハウス by かずち
Ending Jingle: Happy Smile Day by FLASH☆BEAT
Edited with Linux
コメント