大阪市の公教育学校でまたしても教職員のハラスメント行為があった。その原因となったのは、やはりLINEだったようだ。
静岡県教育委員会は、教員と児童生徒との、LINEなどの商業SNSを使った私的なやり取りの倫理的問題が多発している実態を重く受けとめ、当該行為を懲戒処分の対象とすることを決定した。
静岡県などの事例を受け、9日には、ついに文部科学省が動いた。全国の教育委員会や学校に、児童生徒との商業SNS等を使った私的なやり取りを原則禁止にするよう、通知を出した。
学校でのLINE問題は、教職員や児童生徒との間だけではない。教育に対する理解度の低いバカ親が、学校への理不尽なクレームにもLINEを使うなど、LINEを日常的に使用している保護者が介在する問題にも発展している。
LINEに頼る人ほど仕事の情報共有にトラブルを抱える
大阪府池田市長の一連の問題でもやはり、部下とのLINEでのやり取りが問題視された。部下の言動と食い違いがあり、情報共有ができていなかったのである。LINEはその直感的すぎる操作性も手伝い、中毒性がある。そして、LINEでメッセージを送ったことをもって、情報共有ができたものと勝手に判断してしまう。だからこそ起きたことである。情報共有にはいくつかの方法を組み合わせることが重要といわれるが、LINE中毒にかかると、そのことがわからなくなる。これも、LINEの恐ろしさのひとつである。
ほぼ確実に公私混同問題が発生
以前から指摘しているように、LINEなどの商業SNSは、無意識のうちに公私混同を招くおそれがある。商業SNSによる公私混同は自覚がなく、第三者から指摘されないと気づかないケースが多い。そのため、会社や組織の一員が個人的に使用した商業SNSが原因で、所属の組織が連帯して賠償等の責任を追及されるようなトラブルにも発展している。自覚がなくエスカレートし、トラブル発生時にはかなりこじれるというように、商業SNSの仕事での使用は非常に危険だ。たかがSNSだと思っていると、そのうちにとんでもない問題に発展するようなことにもなりかねない。少しでも思い当たる節があれば、すぐにアカウント削除でけじめをつけることを考えていただきたい。
銀鮒の里学校では活動開始当初から問題視
LINEいじめの問題やゲーム誘導、出会い系等への勧誘などから、銀鮒の里学校では、6年前でもLINEは問題視し、教職員(志願者)のLINEの禁止も打ち出していた。そして、この4月には、すべての商業SNSの使用を停止・禁止にした。チームで本気で仕事をやりたいなら、まずLINEをやめて、そのうえで、グループウェアや電子メール・メーリングリスト、電話、Jitsi Meetを組み合わせた「新しい草の根」情報共有を実践していただきたい。
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