「平和のゴールデンアーチ」に懐疑
米国マクドナルド(米国イリノイ州オークブルック(シカゴ近郊))は、「ロシアによるウクライナへの軍事侵略は、私たちの『平和のゴールデンアーチ』の理念に相容れないものがあり、今後、ロシアでの事業継続はできない」として、ロシアにおけるマクドナルド事業から撤退することを表明した。このことは、日本経済新聞をはじめとする日本の商業メディアでも報道されたが、米国マクドナルドには同情的(肯定的)だ。このようなジャーナリズムは、スポンサーなどのしがらみから、顧客関係にもなる企業側には忖度し、真実の核心に迫る深入りはタブー視されるという、「商業メディア特有の不都合なプラクティス」によるものとみられる。ぜひ、商業メディアによる直球的忖度を含んだ歪な記事も、ウェブ検索で比較参照されたい。
ESGウォッシュ疑惑の視点でみるとわかりやすい
市民層の不信感が大きい大企業ほど、表面的な好印象でハッタリを効かせることでESGウォッシュを図りたい思惑が強いであろうことは、当メディアの愛読者であれば、容易に理解できるだろう。ロシア軍事侵攻によるウクライナ人道危機を理由にしたマクドナルドのロシア撤退に関して、直視すれば、企業として当然の良心によるものだと思うだろう。しかし、そのようにしか考えられないというのは、市民層におけるコミュニケーションでは、重大な誤解を招く原因となる。市民層の間では、今回の米国マクドナルドの決定に関しては、イエスともノーともいわない、静観の姿勢をとっている。なぜなら、
「意思決定の奥底には、マクドナルドならではの『腹黒い何らかの意図があるのではないか』と疑う」
というのが、妥当な見方だからである。例えば、病児療養施設のドナルド・マクドナルドハウスの運営は有名だが、これも、「ジャンクフードのマクドナルドがこどもの健康に悪いという印象を、病児療養という強い慈善感でもみ消したい」と腹の底で切望するESGウォッシュの一環であるという見方が強い。今回の米国マクドナルドが主張する「平和のゴールデンアーチ」説は、黄色のMマークを「マクドナルド進出国との友好と平和の象徴」だと託つけ、「ロシアによる軍事侵略に反対するポーズとして、ロシア撤退という揺さぶりをかけることで、(懐疑のない思考停止層の間で)マクドナルド英雄論をでっち上げたい」というのが真意であるとみると、「子孫の代へと継承(Mc)されていく侵略的世界征服(Donald)のビジネス(’s)」を意味するMcDonald’sの原義に矛盾せず整合し、論理が一貫してわかりやすい。
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