機能はタバコ中毒者証明だけのネガティブ・ステータス・カード、廃止はNTTドコモの動向に依存
日本タバコ協会が発行する成人喫煙者確認カードのtaspo(タスポ)が、NTTドコモの3G回線”FOMA”のサービス廃止に合わせて2026年3月に廃止されることが明らかにされた。喫煙者の減少に伴うtaspo対応タバコ自販機数も、今日ではtaspo開始時の約4分の1と激減も顕著であり、taspoデータのセンターとの通信にFOMAを利用しているため、やむなく廃止することが決定された。taspoは建前上は成年者確認を目的としているものの、親やタバコ店などが未成年者に不正貸与することが常習化しており、実質的には成年者証明書としては機能しておらず、未成年者喫煙の根絶には至っていないのが現状である。実質的な機能としては、タバコ中毒者証明しかなく、あえて今どき、喫煙者であることを宣言するのは恥ずかしい、そんな面倒なことをするくらいなら禁煙してやる、という喫煙者の価値観シフトもあり、利用は大幅に減少している。このように、taspoは持つことで恥になるネガティブ・ステータス・カードでしかなくなった。これが、廃止を決めた最大の理由とみられる。
タバコそのものの消滅への大きな一歩
10月1日、加熱式タバコも含めて、通常パッケージは600円前後にまで値上げされた。しかし、それでも世界的にはオーストラリアとニュージーランドが2,000円超、1,000円以上(マールボロ20本入り)の国や地域も多くなっており、激安水準だ。日本での喫煙者の減少の最大の原因は値上げであり、法規制や条例による喫煙可能場所の減少、健康意識の高まりも喫煙者減少に拍車をかけている。今は持続可能性(サステナビリティ)の時代、一方でタバコは持続不可能の象徴だ。タバコそのものが一秒でも早く社会からなくなるよう、非喫煙者も公共問題としてのタバコ問題に関心を持ち、タバコ反対を声高に叫んでいただきたいものだ。
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