「ポンポントラブルにはクッサ〜い玉…」あのラッパのマークでお馴染みのあの企業の業績が急速に悪化している。正露丸の大幸薬品(大阪市)だ。
このところ、株価の暴落が止まらないという。その原因は、識者や国の意見・指摘をガン無視してきた、根拠もなく強気に任せた経営にある。
根拠非公認の「空間除菌(ウイルス除去)」に強気が最大の原因
厚生労働省非推奨で、消費者庁からも措置命令を受けたこともあった二酸化塩素空間除菌のクレベリンが、大幸薬品の業績悪化の最大の原因とされている。化学や衛生の専門家も空間除菌の効果や安全性に関しては冷ややかな見方で一致しているにもかかわらず、大幸薬品はその意見をガン無視して強気の販売攻勢を展開、その結果、大幸薬品の強気は裏目に出て、思うように売れなかったという。当然の結果である。コロナ禍で抗菌・除菌市場が焼け太りする最中で、大幸薬品は、国の否定を後押しする専門家の意見をも押し切るという意見ガン軽視が経営を悪化させるという経営の「素晴らしき反面教師」をつくってくれた。
空間除菌を(有効とする根拠がないため)非推奨とする旨の厚生労働省(およびWHO)の情報例
クレベリンが消費者庁から景品表示法違反(優良誤認など)で再発防止の措置命令を受けた旨の報道(2014年3月27日)
大幸薬品の株価チャート
大幸薬品の件とは直接関係はないが、空間除菌をめぐっては、厚生労働省が非推奨としているにもかかわらず、スポーツ庁が五輪施設に空間除菌を謳う装置を導入したことも問題になっている。
クレオソート(木タール)含有で正露丸反対運動も
ご存知の方もあるだろうが、大幸薬品は、正露丸を売り続けてきた関係で、木タール関連でも強気の営業を展開している。木タールのあの特有の臭気は、リグニンの乾留による分解生成物とみられるグアヤコールなどのフェノール類によるものであり、さらに、多環式芳香族化合物も含まれるとされている。この多環式芳香族化合物は、遺伝子損傷作用(変異原性)や発がんのリスクが高いとされており、そのことから、正露丸の反対運動も起きていた。その反対運動もやはりガン無視であったことは、反対運動が起きても販売終了に至らなかったことからも容易に察しがつく。クレベリンの一件でも、正露丸の件でも、大幸薬品はステークホルダーの声をまともに聞かず、根拠のない強気路線を貫くトノサマ姿勢の会社だということがわかるだろう。
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