明治の宅配牛乳から動物用医薬品、薬剤耐性菌問題とも関連か_id

独自調査!畜産用スルファモノメトキシン製剤の国内シェアは実質的に明治が独占!

「明治で動物用医薬品コンタミといえば…」これまで、採卵養鶏などの工業的畜産の闇を独自報道でえぐってきたFMGの記者は、すぐに嫌な予感がしました。

農業界や製薬業界ではよく知られたことですが、実は明治(グループ)は、人間用の医薬品や農業用の農薬(MeijiSeikaファルマ)、さらには、畜産動物用の動物用医薬品(明治アニマルヘルス)でも高いシェアを誇っている、化学業界の雄でもあるのです。そこでFMGでは、農林水産省所管の動物医薬品検査所が運営する動物用医薬品データベースで成分検索を試みました。すると、驚きの検索結果だったのです。なんと、畜産用スルファモノメトキシン製剤の販売者のシェアで、明治グループの明治アニマルヘルスが実質100%※注だったことがわかったのです。明治アニマルヘルスは誰しも知るところの明治の本社と同じ東京都中央区に本社を置いていますが、営業部は熊本市に置いています。これは、自動車関連部品業界の営業拠点を自動車会社の本社や生産拠点周辺を狙ったように置くのと同じように、熊本県阿蘇山麓地域や宮崎県・鹿児島県境付近の霧島山麓地域が酪農集積地域、さらに、鹿児島県や宮崎県は、養鶏や養豚が盛んな国内有数の畜産集積地域であり、効率的に営業成果を挙げられる、動物用医薬品業界特有の地の利を活かした戦略と考えられます。問題の明治関西工場には、全国各地から生乳が集まると考えられますが、とくに、距離や供給バランスの関係から、西日本が多いと考えられます。熊本市に営業拠点を置く明治アニマルヘルスのスルファモノメトキシン製剤を、明治が生産を委託する農場に売り、乳牛への定期的な注射を促す「薬漬け推奨」の営業慣習があったことが、今回のコンタミ問題と関係があるのではないかと、FMGは疑っています。

スルファモノメトキシンの構造式(芳香族スルホンアミド構造に注目)
葉酸の構造式(p-アミノ安息香酸アミド構造を持つのが特徴)

●コンタミの原因となったとみられるスルファモノメトキシン製剤(注射剤)の添付文書
https://www.vet.meiji.com/la/pdf/DAIB20.pdf

※注:今回問題となったとみられる「ダイメトン注20%」など、製造販売者がフジタ製薬となっている製剤もありますが、その販売者も、明治アニマルヘルスになっており、実質的に畜産用スルファモノメトキシン製剤の販売を担っているのは、100%のシェアで明治アニマルヘルスであるとみられます。

明治の回答「不勉強なのでわからない」「生乳の生産は丸投げ」:定期査察や酪農家とのコミュニケーションを怠る実態も明らかに

FMGは、明治の企業体質の真実を探るため、明治に質問をしました。予想はしてはいましたが、電話対応の女性の担当者は、やはり化学の素人で、「不勉強なのでわからない」というような回答でした。話にならないので、化学コミュニケーションができる上司の方に替わるようにお願いをすると、30年の市民運動で培った交渉術を駆使し、丁寧に何度も粘った末にコンタクトに成功しました。その男性の担当者(上司)は、何とか意思疎通はできましたが、それでも、化学に関しては素人の方でした。サルファ剤の薬理は、葉酸ダミーとしての(芳香族スルホンアミド構造を葉酸のp-アミノ安息香酸アミド構造と誤認することによる)葉酸合成に関係する酵素の拮抗的阻害によっていることや、そのような薬理活性をもつサルファ剤は、常習的使用により、薬剤耐性菌(AMR)問題の原因にもなり、AMR問題は、今回の薬剤そのものによるコンタミ問題よりも深刻で厄介であり、何も対策を打たないと、そう遠くないうちにAMR問題が発生する可能性が高いことを警告するものだと認識すべきだと説明し、認識の共有を試みました。

さらにFMGは、明治ブランドの牛乳の原料となる生乳の生産体制についても質問をしました。この質問に対して明治は、「生乳の生産農場は明治直営ではなく、完全に外部の酪農家に生産を委託している(いわゆる、丸投げ状態)」と回答、さらに、委託先の生乳生産農家の定期査察や綿密なコミュニケーションはとっているかどうかを尋ねてみると、「そのようなことは現状では行っていない」と回答しました。このことから、明治の牛乳の杜撰な外部丸投げ・責任逃れ体質が露呈してきたのです。

商品に明治ブランドを冠する以上、その商品に関する最終的な「つくる責任」の所在は明治に他なりません。企業体質もよく理解したうえで、何を買い、消費すべきかを意思決定することは、「つかう責任」であり、社会の動向を大きく左右します。このようにFMGは、企業の「つくる責任」と消費者の「つかう責任」との間に入り、仲裁的に情報提供を行うことを通じて、持続可能な社会づくりに貢献していきます。みなさんもぜひ、FMGとのコミュニケーションを通じて、SDGsが生活の一部としてしっかりと融合した生活様式を実践し、誠実な社会づくりを支えてください。

コメント

  1. […] 実は、動物用医薬品ビジネスにも明治グループが深く関与していた!?動薬−酪農直結ビジネスの明治だからこその所業か?農芸化学を専門分野とする記者だからこそできる渾身のルポは、銀鮒の里アカウントでのログインユーザーだけが読むことを許される詳細記事(_id)から。 […]

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