【特報】消費者庁、本日付でサントリーのゼロコーラをトクホ許可、WHO勧告の2日後

消費者庁が17日付で、サントリー食品インターナショナルが申請したゼロカロリーコーラ「ペプシスペシャル ゼロ l」を特定保健用食品(トクホ)として許可を出していたことが、FMGの調べで明らかになりました。直前の記事でおわかりのように、この許可は、WHOが体重減量を目的に合成甘味料をはじめとする非糖甘味料を摂取しないよう勧告を出した2日後に出されたことになっています。これまでのサントリーのトクホ「ペプシ」シリーズでは、すべての商品に合成甘味料が使用されていることから、本日許可が下された「ペプシスペシャル ゼロ l」も同様に合成甘味料が使用されているものと推察されます。「ペプシスペシャル ゼロ l」に合成甘味料が使用されているかどうかの質問に対して、消費者庁食品表示企画課の担当者は、「審査の過程に関する情報は開示できない」「申請者(のサントリー食品インターナショナル)に照会してほしい」として、回答を拒否しました。「ペプシスペシャル ゼロ l」は、難消化性デキストリンを関与成分とするものです。関与成分を摂取することにより、脂肪の吸収を緩やかにしたり、脂肪の排出を促進し、体重増加の原因となる血中中性脂肪の増加を抑制することを許可理由にしていることから、体重減少を目的とした摂取を意識していることは明らかです。このことから、WHOの勧告に真っ向から矛盾する許可内容であることが明らかであり、今後、消費者庁によるこの杜撰な許可に関して、国内の高意識層の消費者や世界の保健関係者から批判の視線が注がれることは不可避の状況となっています。

「トクホ審査手数料は9,800円」申請者忖度の消費者庁許可ビジネスの実態

「トクホ審査手数料は9,800円」今回の消費者庁へのFMG突撃取材で、意外な事実が明らかになりました。これは、消費者庁食品表示企画課の担当者が、記者に対して明らかにしたことです。消費者庁の本日付のニュースリリースによりますと、本日現在で、トクホの許可件数は1,063件にものぼり、申請された食品(商品)のほぼ全てが許可されているとみられます。許可分の審査手数料収入だけでも約1,042万円もの収入がある計算になり、国の行政庁としては、ちょっとした「お小遣い稼ぎ」になっています。この「お小遣い」を漏らさず獲得すべく、消費者庁は、本来守るべき消費者の利益よりも、申請者がトクホの許可を得やすくするように便宜を図っているのではないかという疑いが、今回の取材から、より鮮明になってきました。逆を考えてみてください。もし、トクホの審査が通りにくかったとすればどうでしょうか。9,800円という金額は、サントリーのような大企業の申請者にとっては、タダ同然の金額ですが、審査が厳しいと、費用対効果の天秤にかけると、申請のインセンティブがかなり低くなることが見込まれます。中小の事業者になれば、なおさらです。そうなれば、トクホ申請は、申請者の事業者にとって魅力が低いものとなり、トクホの申請数はここまでは増えないことが予想されます。FMGは、消費者庁に対して、次のような質問をしました。

「申請者の提出書類以外に、客観的な審査資料として、どのような資料と突き合わせを行っていますか。そして、それらの資料にあるエビデンスデータと申請者の提出資料のエビデンスデータと矛盾がないことを検証していますか。」

この質問に対して消費者庁は、このように回答しました。

「おもに申請者が提出したエビデンスデータをもとに審査しており、データの妥当性確認の突き合わせは、(日本の)食品安全委員会のファクトシートなどで行っています。」

この回答をうけ、WHOの勧告や国内外の大学や公的機関などによる中立的なエビデンスデータとの突き合わせは行っているのかと、消費者庁食品表示企画課の担当者に追加質問をしたところ、回答はできませんでした。このことから、トクホ審査は、客観性の高い外部の中立的エビデンスデータとの突き合わせを行うことなく、申請者側の企業や食品安全委員会の「御用学者」にとって都合がよく、消費者の利益を最優先にはしないバイアスがかかった審査である疑惑がより濃厚となりました。FMGでは、食品安全委員会のファクトシートは、一見して科学的であるかのようにみえる、「リスク管理関係当局のバイブル」と揶揄する見方をしています。食品安全委員会のファクトシートは、化学のいろはをどの程度認識しているのかが疑わしいような、科学リテラシーに疑問がある委員が制作に関わっている可能性が高いことから、あくまで一参考資料にすぎず、これだけで突き合わせをした結果で、科学的に妥当であるかどうかの判断を下すのは誤解を招きかねないとして、注意を喚起しています。

FMGは、消費者庁に対して、下記の緊急政策提言を行いました。

  • エビデンスに基づくWHO勧告や申請者との利害関係がない国内外の中立的研究者・研究機関によるエビデンスデータとの突き合わせにより、申請者による提出データとの間に重大な矛盾がないかなど、消費者の利益保護を意識した綿密な科学的妥当性検証を行い、申請者への忖度はしないこと。
  • 15日付のWHO勧告に準拠し、非糖甘味料(合成甘味料など)を原材料に含む食品(商品)の申請は無条件にて門前払い(申請棄却)とすること。また、同勧告との整合性を保つ観点から、現時点においてすでに許可済みのゼロコーラなどの食品(商品)については、トクホ許可の取り消しを行うこと。

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