飲食店は「苦渋の決断」というが…
全国で「ガスト」などのファミリーレストランブランドを展開するすかいらーくホールディングス(東京都武蔵野市)や、九州を中心に展開する同業のジョイフル(大分県大分市)などで、鶏卵を使用するメニューの提供のとりやめが相次いでいます。ご察しの通り、今季猛威を振るっている鳥インフルエンザによる殺処分の影響で採卵鶏そのものが減少したり、鶏卵の移動・搬出制限がかかった影響で、鶏卵(ケージ卵)の流通量が減少し、需要が逼迫しているためです。あのジャンクフード最大手の日本マクドナルド(東京都新宿区)もその例外ではなく、例年、春の看板メニューとして出している「てりたま」が影響を受けており、販売を予定していた一部のメニューが販売中止に追い込まれているといいます。(下の写真)
エッグショックこそイノベーションチャンス
「鶏卵は絶対不可欠だ」と考える事業者にとって、エッグショックは単にピンチとしか捉えられず、皆揃って、「苦渋の決断だ」とこぼします。しかし、このエッグショックを商機(チャンス)だと捉える業態もあります。鶏卵代替食材として注目される、大豆やえんどう豆、ひよこ豆などの豆類、じゃがいも、こんにゃくを活かす食品製造技術に取り組むフードテック業界です。豆類やじゃがいも、こんにゃくは、これら食材に含まれる多糖類やたんぱく質との相互作用によって、動物性食材のテクスチャに近づけることができることが知られており、食の持続可能性戦略上、近年、注目されています。その一方で、鶏卵の多くは、海外で生産された穀物を船で運び、採卵鶏に食べさせてから生産されます。地球温暖化問題で熟考される資源エネルギー循環の観点でも非常に回りくどく無駄が多い工業的養鶏問題も、フードテックの「草刈り効果」もあり、際立つようになっています。(農作業のとき、草を刈ってはじめて、モグラの穴などに気づくことはよくあることです。それまで埋もれて問題視されなかったことが、草刈りのようなとあるきっかけで問題が際立つようになるということで、「草刈り効果」ということにします。)
また、インターネットのレシピ検索サイトでは、鶏卵を使用しなくてもつくることのできるレシピ検索が増えているということです。従来は鶏卵が必要とされていた料理でも、植物性食材の組み合わせで鶏卵代替効果を得るという、フードテックの考え方に通じるものもあるといいます。
鶏卵を全く食べないエッグファスティングも、栄養学的には問題はなく、それどころか、エッグファスティングはコレステロールや鶏卵特有の化学物質コンタミネーション(シロマジン、エトキシキン、オルトジクロロベンゼンなど)の問題からも解放され、健康管理がより簡素でしやすくなるという効果もあります。まずはあなた自身がヴィーガンの選択肢を選ぶことで、あなたがその恩恵を得ることができますし、あなたがこの社会の構成員であるかぎり、あなたがヴィーガンであることは、社会に確実にインパクトを及ぼすことができます。NHKなどのマスコミではネガティブに捉えられがちなエッグショックですが、ネガティブに捉えるということは、損をすることを意味します。同じ考えるなら得をしたほうがよいと思いませんか。だからこそ、鶏卵をやめて、新たなイノベーションを生むチャンスの輪に、あなたも加わってみませんか。FMGは、あなたのイノベーション参画を全力で応援します。
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