東京・狛江市や稲城市など関東各地、さらには山口・岩国市、京都市など、広範囲にわたって連続多発的に起こっている強盗・緊縛事件。捜査が進むことで、やはりその背後にも、あの低俗な商業アニメの匂いが漂ってきています。商業SNSでの高額報酬を標榜する「闇バイト」、その「闇バイト」の「高額報酬の仕事」こそが、「タタキ（＝強盗を意味する隠語）」であり、事件の立役者とみられる、その指示役の存在が浮上してきました。その指示役は、「ルフィ」を名乗っているというのです。
「ルフィ」
児童教育の当事者であれば、一度は、悩ましい存在として耳障りな思いをしたことがあろうかと思います。小学生に人気の、映画劇場版もある、海賊をモチーフにした商業アニメ「ONE PIECE」の主人公です。上の写真は、「ルフィ」でGoogle検索した結果ですが、筆頭にヒットするのがONE PIECEの主人公であることからも、世間では、
ルフィ ＝ 商業マンガ「ONE PIECE」の主役
だという等式が実質的に成立していることが、客観的におわかりいただけるかと思います。
そこで、この犯罪の核心に少しでも迫るため、ONE PIECEとはどういうアニメなのかについて、Wikipediaをみてみましょう。ストーリーについて深入りすること自体には、アーネスト層にとってはあまり生産性はありませんので、理解を進めるために必要な範囲でざっくりいうと、
ONE PIECEとは、海賊のマンガです。
海賊とは、海上や島などで暴力を伴う窃盗行為をはたらき、ときには、人を殺めることもある悪人のことです。
犯罪心理学的にいいかえれば、海賊とは、自身の支配・征服欲を満たすためなら、理性的分別なく、躊躇なく振る舞う輩のことをいいます。
ONE PIECEでは、その海賊としての行為を、「（海賊）仲間の友情」などとでっち上げて美化し、海賊の頂点に君臨する「海賊王」を夢見るという、アーネスト層には到底理解し得ないような、もっともらしいストーリーを長々と展開することで、理性の発達途上にあるこどもたちを翻弄しているのです。悪人や悪事でさえも美化できるというのは、マンガだからこそできる芸当であり、このような暴力美化を含むような低俗なマンガが道徳的に悪いといわれる普遍的根拠たる所以です。
その海賊王を目指すというONE PIECEの「ルフィ」と、今回の一連の事件で「ルフィ」を名乗る、闇バイトの指示役と思しき輩、何か重なるものが見えてきたのではないでしょうか。闇バイトの指示役の「ルフィ」はフィリピンから商業SNSを駆使して、闇バイトの志願者に対して「タタキ」の指示を出していたのではないかというのです。さながら、ネット・商業SNSを駆使する現代版の海賊です。関東各地での強盗殺害事件の捜査過程では、緊縛につかったとみられる結束バンドが、レンタカーから見つかったというところからも、犯行に関わった犯人がONE PIECEにかぶれ、強い影響を受けていたのではないかということもうかがえます。
ここ、豊中の公立図書館では、マンガ本の所蔵・貸出を行っており、ことにONE PIECEは、小学生などからの購入リクエストが多いといいます。このようなこどもが将来…と考えれば、いても立ってもいられないのは、私達のようなアーネスト層だけでしょうか。「こどもはマンガが好きであたりまえ」と決めつけてはいませんか。その狭間で苦しみ、強い正義感ゆえに理不尽に苛まれる人もいることも忘れてはなりません。その思考停止が、無意識のうちに、明日の犯罪を許す社会にしてしまっているのかもしれません。
※アーネスト層：正義感が強く、真面目に現実世界に向き合うことに美意識を持つ高知性派層のこと
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