【特報】死亡したキタキツネからHPAIウイルス、養鶏場等で感染拡大のウイルスと同じ遺伝子型、北海道大学

北海道大学の研究チームは、2022年4月4日に北海道内で回収したキタキツネの遺体から検出されたH5亜型の高病原性鳥インフルエンザウイルスについて、遺伝子解析の結果、今季、養鶏場などで感染が急拡大しているウイルスの遺伝子型と同じであるH5N1型と特定されたと報告しました。このキタキツネの遺体は、高病原性鳥インフルエンザウイルスへの感染で死亡したとみられるハシブトカラスが回収された場所の近くで回収され、さらに、このキタキツネの遺体からも、H5亜型の鳥インフルエンザウイルスが検出されたことから、このキタキツネの死因は、鳥インフルエンザウイルスへの感染で死亡したハシブトカラスの遺体を食べたことによる鳥インフルエンザウイルス感染である可能性があると考えられていました。

なぜこのようなことが起こったのでしょうか。北海道大学の研究チームは、野鳥などの鳥類に対する病原性が低下したことが一因として考えられるとしています。鳥類に対する病原性が低下したために、野鳥は感染してもすぐには死亡せず、その分だけ、広範囲に拡散しやすい状況になったというわけです。その一方で、これまでは哺乳動物への感染性は非常に低いと考えられてきた鳥インフルエンザウイルスが、哺乳動物に感染しやすいように変異した可能性も考えられます。さらに、カラス類は、餌が豊富にある養鶏場周辺を徘徊することが多いことから、カラスがもたらした少量のウイルスに、免疫力が低い工業的養鶏場(=ウイルスアンプ)の鶏が日和見感染、さらに同様の状態にある鶏が爆発的に日和見感染を繰り返すことで、トランジスタのごとくウイルス量が増大、そのウイルスに、徘徊するカラスが感染することを繰り返すことで、野鳥・家禽ともに前代未聞の規模の感染拡大が起こっている可能性が考えられます。工業的養鶏場における鳥インフルエンザ感染の発覚にはタイムラグがあり、その人が鳥の異変に気づかない隙に、実際には感染拡大が起こっている可能性があります。さらに、鶏などが鳥インフルエンザに感染したとしても、必ずしも症状が現れるとは限らないため、鶏などの感染に気づかない可能性も十分にあり、北海道大学研究チームの「鳥病原性低下説」とも辻褄が合います。このような感染モデルは、工業的養鶏が人間の制御能力の限界を超えていることを意味するものであり、FMGでは、週明けにも環境省や農林水産省に、この「トランジスタ」感染モデルの検証を進めるよう、政策提言を行うことを検討しています。

動物学的にヒトに近い哺乳動物での感染事例が日本国内で確認されたことは、鳥インフルエンザから派生したヒト新型インフルエンザの現実化がより近くなったという、自然からの警告だと捉えられるべきだと、FMGでは警鐘を鳴らしています。鳥インフルエンザウイルスにヒトが感染した場合の致死率は30%と推定されており、これは、新型コロナウイルス感染の場合の致死率約0.1%の約300倍にも相当します。

【参考】環境省による関連情報(2022年4月4日付)
https://www.env.go.jp/press/110892.html

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