鹿児島県によりますと、1日に、同県出水市高尾野町の採卵養鶏場で、鳥インフルエンザの疑い事例が確認されたことについて、遺伝子検査の結果、H5亜型の高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)の疑似患畜であることが確認されたと発表しました。これを受けて、鹿児島県では、2日午前6時から、この採卵養鶏場の採卵鶏の全数にあたる約12万羽の殺処分に着手しています。今回の事例の確定で、鹿児島県出水市の家禽飼養場で発生したHPAIの事例としては、今季4例目となり、異例の事態となっています。
昨日の夕刻の時点において、鹿児島県出水市高尾野町で生産されたケージ卵を常に販売している豊中市内の食料品店では、平常通り、10個入りパックで200円に満たない価格で販売されていたことを、FMGの市場調査で確認していますが、4例連続発生、しかも、10万羽超の大規模事例がうち3例発生していることから考えますと、ケージ卵の価格高騰や品薄が発生するのは時間の問題であると、FMGでは予測しています。
FMGでは、アニマルウェルフェアや人の新型インフルエンザ問題の未然防疫の観点からの現実的で冷静な判断の一つとして、鶏卵や鶏肉の購入や消費そのものをやめることや、ヴィーガンの生活様式への転換も選択肢に含めることを強く推奨しています。
「鳥インフル警戒か?」出水市のツル飛来地で退避の傾向も、韓国では飛来数3倍、地元紙報道
鹿児島の地方紙の南日本新聞(鹿児島県鹿児島市)は、今季、出水市のツル飛来地で、一旦は同市に飛来したツルがすぐさま韓国方面に退避する行動が頻発していることに着目し、「鳥インフルエンザに感染して死亡しているツルが約1,000羽にも及んでいることを警戒している可能性もあるのでは」という視点で捉え、1日の記事で報道しています。出水市のツル飛来地では、定着数が激減する一方で、韓国・順天(スンチョン)市の飛来地では、例年の3倍ほどのツルが飛来・定着しているということです。ツルなどの鳥類は、動物界では高い知性をもっていますので、何らかのサインで危機を察知し、そのような警戒行動が起こるのは、不思議ではないかもしれません。この南日本新聞の記事にはありませんが、飛来してきたツルは、日本(とくに出水市)では異常に多く、実際に仲間(鶏)の大量殺戮場と化している工業的養鶏場に恐怖感を持っているのかもしれません。実際にそうなのであれば、日本の工業的養鶏場そのものが、今後、ツルなどの渡り鳥にとって危険なものと認識・学習され、渡り鳥の飛来の激減が続くことで、在来生態系の生物多様性を著しく悪化させることが科学的に証明されることになるかもしれません。畜産は農水省頼みの保身に躍起になっていますが、環境省(野生動物)や厚生労働省(人)の援護射撃で、畜産そのものの持続可能性を問う機運を高めることが、強く求められるところです。
コメント