確定なら全国の畜産で今季3例目
埼玉県は29日、埼玉県毛呂山町の採卵養鶏場で、鳥インフルエンザの疑い事例を確認したと発表しました。29日午後、この採卵養鶏場から川越家畜保健衛生所に「死んだ鶏が増えている」との通報があり、同衛生所が死亡鶏と生存鶏の13羽についてA型インフルエンザの簡易検査を行ったところ、11羽で陽性が確認されたということです。この採卵養鶏場の飼養羽数は約4万5,000羽です。埼玉県は本日(30日)8時15分から、第1回埼玉県高病原性鳥インフルエンザ緊急対策本部会議を開催し、疑似患畜であることが確認されることを想定した初動防疫態勢について、庁内での共有を図っています。現在、遺伝子検査を行っているとみられ、疑似患畜であると判定された場合、直ちにこの採卵養鶏場の採卵鶏の全数が殺処分されることになるとみられます。
●埼玉県からの情報
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0908/news/page/news20231129.html
需要ピークの年末、供給逼迫か
今年は昨年に比べて発生が遅くはなったものの、ほぼ毎日のように、全国のどこかで鳥インフルエンザの事例が確認されているペースからすると、昨年と同等の猛威を振るうのではないかという観測もあります。とくに鶏卵の価格は昨シーズンの高騰の余波を今なお引きずっており、今季はさらに高騰するのではないかとの観測もあります。さらに、型こそは異なるものの、ヒトのインフルエンザも、世界的な流行がみられており、種をこえて予断を許さない状況が続いています。
国や自治体の畜産担当部局などは、「仮に鳥インフルエンザにかかった鶏の肉や卵を食べたとしても、加熱すれば問題ない」「鳥インフルエンザに感染した鶏の肉や卵が流通することはないと考えられる」など、従来どおりの対応を消費者に求めていますが、ここで注意していただきたいのは、
鳥インフルエンザの感染後症状が現れていなくても、感染していないとは言い切れない
ということです。鳥インフルエンザウイルスには、感染して発症しても、重篤な症状が現れない低病原性のもの(LPAI)もあり、見逃される可能性も多分にあります。しかし実際には、高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)の対応だけで手一杯という状況であり、飼養羽数の異常な多さからすると、過密ストレスで常に病的な状態の鶏からLPAIの症状を丁寧に見極めるのは、ほぼ不可能です。
鳥インフルエンザウイルスが直接人に感染することはきわめて稀と考えられていますが、世界では、これまでに複数の人の感染・死亡事例が報告されています。家計防衛のためにも、社会のためにも、健康のためにも、可能なかぎり、家禽畜産物の摂取をしない家禽食禁止ベジタリアン(ポートリー・プロヒビテッド・ベジタリアン)を目指してください。
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