フェアトレードコーヒーと無調整豆乳を使ったヴィーガンカフェオレをつくってみましょう。
コーヒーに直接、無調整豆乳を加えると、凝固物を形成し、互いに薄めあって分離してしまいます。ちょっとした化学的な工夫でそれを防ぐ方法があります。そのひと工夫について、説明しましょう。
まず、いつものように、フェアトレードのコーヒーを淹れます。
次に、無調整豆乳を50〜100mlと、少量の重曹(炭酸水素ナトリウム)をミルクパンにいれて、とろ火で沸騰するまで加熱します。
※重曹を入れすぎると、炭酸ナトリウムの苦味が出ますので、入れすぎないように注意してください。また、重曹は必ず食品添加物規格のものを使用してください。(食品添加物規格以外のものを使用すると、思わぬ事故の原因となります。)
この豆乳を、フェアトレードコーヒーに入れると、豆乳が分離せず、安定した乳化状態となります。簡単ですので、ぜひお試しください。
化学的しくみ
豆乳が加熱されると、重曹が熱分解し、炭酸ナトリウムが生成します。この炭酸ナトリウムが、大豆タンパク質の酸性基と中和反応をすることで、大豆タンパク質は水との親和性を増し、安定な乳化状態を形成します。この乳化状態は、コーヒーのポリフェノールの影響をうけることがないため、コーヒー中でも安定な乳化状態を維持できるのです。
大豆タンパク質には、アミノ酸としてはフェニルアラニンやチロシンを多く含んでおり、これらに由来する疎水基の影響を受けやすいために、ちょっとしたことで分離しやすいのです。それが、同じ大豆タンパク分子上にあるカルボキシル基が中和反応でイオン化されることで、疎水基の影響を受けにくくなるのです。
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