日本時間の25日0時、米国マイクロソフトによって発表された次期Windows”Windows 11″。クラウドコンピューティングを意識した設計やモバイル機器向けOSのGoogle Android用のアプリも使えるという、Windowsとしては革新的な機能が売りとのことのようですが、早くも困惑の声が出ています。
インストールできない事例が頻発
「Windowsのインストール自体が拒否され、門前払いされる。」
そのようなトラブル事例が多く報告されています。その原因は、Windows 11のCPUスペック要求の異常なまでの高さにあるといいます。例えば、銀鮒の里学校事務局の現役主機として活躍しているコンピュータには、AMD A4-5300B(定常動作クロック:3.4 GHz;物理コア数2・スレッド数2)が搭載されていますが、Microsoft発表のWindows 11のCPU対応表によると、対応CPUには含まれておらず、AシリーズのすべてのCPUが非対応となっています。最低でもZenアーキテクチャ以上のCPU(Ryzenおよびその廉価版の関係にあるAthlonとEPYC)のみが対応可のようです。Intel製CPUでも第8世代Core iシリーズ(およびその廉価版の関係にあるCPU)以上のみが対応とされているようです。どうやらハードウェアの買い替え需要喚起の思惑があるようです。
AMD Aシリーズでも最新の最重量級Linuxが快適に動作
従来型のシリコンベースCPUの性能向上の限界が近づきつつある昨今、市民のハードウェアやソフトウェアに関しての価値観は、アーキテクチャの日進月歩が著しい20年前とは大きく変わってきています。ハードウェアにしてもソフトウェアにしても、ユーザーの立場を無視したような過剰なテクノロジーを求めず、日常使いであたりまえに快適に使える使いやすさと信頼性を最も主要な評価軸としているのです。前述からもご察しのとおり、最重量級Linuxの一つであるUbuntuの最新版(20.04 LTS)は、AMDの旧世代のCPUであるAシリーズの、それもローエンドないしはミドルレンジといわれる型式の搭載機でも快適に動作しています。意外と知られていませんが、Linuxディストリビューションは、Windowsと操作感覚が近く、Windows特有の不満を抱えていたユーザーにとっては、とてもフレンドリーに感じるものです。現在、Windows 10をお使いの方がUbuntuに乗り換えると、「あのときのモヤモヤは何だったのだろう」と、そのシンプルでスマートな使用感に驚かれるかと思います。とても無料で使えるとは思えないでしょう。もちろん、Windowsの使用を諦めざるを得ないような旧世代のPCを引き続き現役で使い続けることができ、ハードウェアのライフサイクルの延長も期待できます。皮肉にもWindows 11の登場は、Windowsに愛想つかしてLinuxに乗り換えるユーザー層を増やすという、Windows Vistaの大不評を上回る轍をマイクロソフト自らが踏むことになるとみられます。ゲイツ財団による新型コロナ禍での不穏な動きや農業の独占支援と相まって、SDGs時代の市民感覚に逆行するWindowsとの致命的な烙印を押されることになることでしょう。
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