DHCという会社について

ディーエイチシー(DHC;以下、DHC)という企業が、在日韓国人に対するヘイトスピーチで世間を騒がしている。DHCの創業者で現会長の吉田嘉明氏が、自社のウェブサイトで行ったものが拡散されるも、撤回も謝罪もせず強硬姿勢を貫いているため、DHCと包括連携協定を締結している地方自治体の協定解除や、マスメディア(非DHC系)の広告拒否など、DHCの傷口はますます拡がる一方だ。いったいDHCとはどういう会社なのか、解説していくことにしたい。

DHCは「大学翻訳センター」の略

DHCといえば、化粧品やサプリメントの印象が強いだろう。ところが、化粧品やサプリメントは創業時の業種ではない。そのルーツは、大学研究室向けの英語翻訳事業であり、大学のD、翻訳のH、センターのCをとってDHCという社名にしているわけである。今日でも外国語翻訳業務を手がけている。皮肉にも、吉田会長が日本の敵だと批判したNHK(=Nihon Hoso Kyokai)と同様に、日本語のローマ字の頭文字をとっただけの社名(組織名)だという点で、両者は一致している点にも注目したい。

DHC翻訳・通訳事業
https://top.dhc.co.jp/edu/translation/honyaku.html

マスメディア・酒造・漁業にまで参入

翻訳業で創業した会社が化粧品やサプリメント、健康食品の化学系事業に参入しただけでも意外だが、近年では、DHCテレビジョン(東京都港区)、CROSS FM(北九州市;福岡県を放送エリアとするJFL系列FM局)といったマスメディア、DHCビール(静岡県御殿場市)・日本酒のDHC酒造(新潟市)といった酒造事業、伊豆で漁業を手がける赤沢漁業など、多岐に及んでいる。吉田会長の言動からご察しのとおり、DHC全体としては、極右(保守)イデオロギーの強い社風であり、経営の常識では考えられないほどの脈絡のない多岐にわたる事業展開を行う背景には、吉田会長が思い描く極右イデオロギーによる「(イスラエル在住のユダヤ人しかイスラエル人として認めない)イスラエルのような純粋な日本」を「DHCワールド」として、なんとしても実現したいという征服野望がみてとれよう。これは、多様性や分かち合いを尊重するというSDGsの方向性に逆行するものであることはいうまでもない。

アロエドリンクベンゼン事件

15年前の2006年、DHCは清涼飲料水「アロエベラ」から、高濃度のベンゼンが検出されるという不祥事を起こしていた。当時、保存料の安息香酸(または安息香酸ナトリウム)とL-アスコルビン酸(ビタミンC)とが共存する条件下で脱炭酸反応が起こり、発がん性のベンゼンが生成する可能性があることが英国で報告され、世界中で大問題となったが、DHCは対策を怠ったため、事態を悪化させたのだ。事業拡大に躍起になる一方で、化学物質リスクに関しての脇の甘さが露呈したかたちだ。

厚生労働省:清涼飲料水中のベンゼンについて

徹底した取材拒否

ふなあん市民運動メディアは、DHC本社と関連会社各社に、今回のヘイトスピーチ問題に関して説明を求めたが、本社をはじめとして、ぼぼすべての企業で一貫拒否。北九州のCROSS FMも当初は拒否しようとしたが、北九州が韓国の対岸にあるという絶妙の位置関係であることを当方から力説して、やっと話ができる状態になった。それでも、本来の目的であるヘイトスピーチ問題の説明責任を果たさせるには至らなかった。このことから、DHCの風通しをご察しいただき、購買活動に反映していただきたい。

コメント

PAGE TOP
⚠警告:非認証ユーザーのコピー行為はあなたにとって重大な法令リスクを伴います。