フジテレビ女性問題で話題持ちきりのテレビ業界。そんな状況下にあって、公共放送が能天気なコンテンツ垂れ流しでまたも議論を呼んでいます。
問題の番組は、25日夜10時から50分間、26日夜9時から50分間の日時で放送されたNHKスペシャル「ゲーム×人類」です。
このなかで、とくに問題といえるのが、第1部で放送された内容です。この番組の中でNHKは、ロシアのプーチン政権が、ロシアの戦争国家プロパガンダにとって有益とされるロシア国内のゲームクリエイターを、ロシア政府として支援するという、ゲームコンテンツ事業推進にかかる国家政策を絶賛していたのです。NHKは、この政策のもとで実現した、ロシアとは犬猿の仲で知られる大国アメリカとの戦争をテーマにしたゲームの実映像を紹介していました。この番組の制作にあたり、実際にロシアに渡航していたとみられる映像もあり、「(番組制作関係者の)商業ゲーム肯定のための、NHK受信料原資のロシア旅行では」との批判もあります。
商業ゲームの熱狂的愛好家を自称する三浦大知がナレーターを務めていたNHKスペシャル「ゲーム×人類」では、WHOが疾病認定しているゲーム障害の問題などといった、商業ゲームの闇の側面に関する説明は1分程度にとどまり、それ以外は、「出版業界からゲーム業界への新規参入」「ゲームで雇用創出」「ゲームで(堅く難解な印象の)カフカ文学に光を当てる」などといった、ゲーム肯定に終始しており、わずかなゲームの闇の説明の挿入は、商業ゲーム反対の市民派層を黙らせる意図があったとみられています。このような口止め番組の制作は、NHKでよく行われている、市民運動モチベーションを減退させるような、強烈な印象操作を含む番組制作の常套的手法です。FMGでは、NHKが放送する情報コンテンツの取り扱いは、一旦懐疑をもって熟考してから行うよう、注意を喚起しています。
この番組内では、「集英社ゲームス」「マイクロソフト(マインクラフト)」などの営利企業名や商標名などに意図的なフォーカスが複数回向けられていたことも確認しており、このような行為は、放送法第83条の「広告放送の禁止」に違反します。最後のクレジット表示では、「カプコン」「コナミデジタルエンターテイメント」などの商業ゲーム会社の名称も複数名を連ねており、商業ゲーム業界の思惑がNHKの番組制作に大きく影響していたことが伺えます。
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