能勢・ぎんぶなのうえんだより(2024年6月22日)

近畿も梅雨到来!梅雨は悩ましさと魅力とが交錯する時期

近畿地方にも梅雨入りが発表されました。梅雨といえば、ジメジメして鬱陶しく、ネガティブに捉えられがちですが、能勢・ぎんぶなのうえんに来れば、そんなことを忘れされてくれることもあります。

実は、能勢・ぎんぶなのうえんでは、今まさに、ジューンガーデン(6月の庭園)が花盛りになっているからです。現在見頃を迎えている花には、次のような品種があります。

  • フロックス・ドラモンディ’シュガースター’(ハナシノブ科・一年草)
  • ストケシア・ラエビス’ブルースター’(キク科・多年草)
  • アルセア・オフィシナリス(マーシュマロウ)(アオイ科・多年草)※咲き始め
  • モナルダ・ディディマ(シソ科・多年草)
  • ダイアンサス・カリオフィラス(クローブピンク)(ナデシコ科・多年草)※終わり間近
  • ダイアンサス・プルマリウス(コテージピンク)(ナデシコ科・多年草)
  • ダイアンサス・チネンシス・ヘッデウィギー(ブラック・アンド・ホワイト)(ナデシコ科・多年草)
  • ダイアンサス・アムーレンシス(アムールナデシコ)(ナデシコ科・多年草)
  • リクニス・カルセドニカ’カルネア’(ナデシコ科・多年草)
  • リクニス・カルセドニカ’レッドクロス’(ナデシコ科・多年草)
  • リクニス・コロナリア(ナデシコ科・多年草)
  • スカビオサ・アトロプルプレア(スイカズラ科(旧 マツムシソウ科)・多年草)
  • クナウティア・アルベンシス(スイカズラ科(旧 マツムシソウ科)・多年草)
  • クナウティア・マセドニカ’レッドチェリー’(スイカズラ科(旧 マツムシソウ科)・多年草)※咲き始め
  • バレリアナ・オフィシナリス(真正バレリアン)(スイカズラ科(旧 オミナエシ科)・多年草)※終わり間近

実は、他にも開花している植物はいくつかあります。上記のリストは、多年草については、それらの大部分が能勢・ぎんぶなのうえんで播種・育苗したもので、それ以外は、昨年以前に導入し、当園で露地植えし、越冬を経験したものとなっています。小さいですが、能勢にある小さな植物園となっています。世間では、春が終わった梅雨の時期は花といえばアジサイくらいで、寂しいイメージが持たれているようですが、能勢・ぎんぶなのうえんでは、5月から7月の梅雨明けまでの時期が、品種数ベースでは最も多くの花が咲く時期となっており、実は、園芸家やガーデナーの間では、今こそが一年で最も花盛りになる時期として知られているのです。

7月後半に梅雨が明けると、約1ヶ月の間、酷暑との闘いの時期となり、開花する品種も大幅に減少することが見込まれます。昨年も能勢は異例の猛暑で、苦戦を強いられましたが、今年も同様の酷暑が予想されており、気がかりです。今季はIPMをさらに改良し、より強い植物に育ち上がるように努めていますが、花盛りのぎんぶなのうえんは、暑すぎない梅雨明けまでが見頃ですので、ぜひ、雨ではない日にご予約のうえ、お早めにご来園ください。

イタリア伝統品種のトマトが順調に生育

固定種・原種専門の能勢・ぎんぶなのうえんは、心も身体も健やかになれる、花卉と野菜の複合型教育農園(ポタジェ・ガーデン)を目指して運営していますが、今季に導入した、イタリア・パルマ地方に伝わる伝統品種の中大玉トマトが順調に生育しています。4月中旬頃に播種し、初導入の品種ということもあり、育苗期には、生育が遅くならないか、心配もありましたが、播種から1ヶ月くらい経過してから、生育スピードが上がり始め、6月上旬に定植してからは、日に日に明らかに伸びていることがわかるくらいの驚くべきスピードで生育しています。今週には、脇芽の勢いよい伸長と一番花の開花も確認できたほどです。一番花の開花位置より下の脇芽は勢いが弱いため、全て除去し、その部分で、倒伏防止の支柱に固定し、主芽と勢いがよい脇芽2本だけを伸ばし、そこから出てくる脇芽も、生育のバランスを見極めながら掻き取っていくという作業を行っていくことになります。肥料は、元肥重視型の施肥で、とくに今季は、青枯れ病リスクの軽減効果もあるとされるカルシウム強化の施肥体系を改良し、5種のカルシウム含有肥料(元肥の苦土石灰・苦土含有珪酸カルシウム・ようりん・珪酸加里(苦土・カルシウム含有)と追肥の過リン酸石灰)を駆使して、それぞれ化学的特性が異なるカルシウム肥料のカルシウム分が時間差で溶け出して絶え間なく効き続ける施肥体系で管理します。窒素は植物性堆肥に含まれる窒素分(少量)に加えて、後追いで硫安(硫酸塩肥料)を施肥することにより、カルシウム含有の元肥の肥料効果を高める相乗効果を狙います。6月中〜下旬に一番花が確認できましたので、早ければ7月中には初収穫ができるかもしれません。世界有数のガストロノミーの街、イタリア・パルマに伝わる、日本では非常に珍しい伝統品種のイタリアントマト、今後の生育が楽しみです。

※フィオレンティーノではありません。フィオレンティーノは、日本国内では比較的よく知られたイタリアントマトの品種です。ぎんぶなのうえんのパルマ伝統品種は、パルマのメルカートでは一般的でありながら、イタリア国内でも、パルマ地方以外では珍しいとされているほどの、入手困難な銘品種で、カプレーゼやフレッシュサラダのような生食甩にも、パスタのような炒め料理用にも適した品種です。栽培者もまだ食べたことはありませんが、トマト特有の味が濃厚な品種ということで、数年待った末に導入することができた品種です。銀鮒の里アカウントでログインし、コメントを頂いた方には、先行してその品種名をお教えします。

陽気でかわいい花が人気!チトニア植え付けも

能勢・ぎんぶなのうえんの夏から秋の風物詩になっている、赤・橙色の陽気でかわいい花が大人気のチトニア、今年も植え付けています。集落を貫く道路からもすぐにわかる場所に植えているので、「チトニアといえばぎんぶなのうえん」と、ちょっとしたランドマークにもなっています。チトニアは、ジニア(百日草)と同じメキシコの原産です。ジニアよりも自然な草姿で花もジニアのような派手さはありませんが、肥培すればより多く枝別れして、2m超えにもなり、見事に育ち上がります。前の記事でも紹介しましたが、チトニアは、雑草がとくに勢いよく繁茂する時期のみの短期間に生育し、管理が楽で、夏秋の農村らしい美しい景観を創り出すことができることから、景観植物や休耕地の緑肥(地力温存・改善)としてもおすすめできる植物でもあります。今ならまだ苗がありますので、関心がある方は、ぜひ、能勢・ぎんぶなのうえんにご予約のうえご来園ください。

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