消費者庁は8日、「独自の炊飯機能で糖質を半分近くカットできる」などと謳い、あたかも米の糖質が減らせるかのような誤解を招きかねない表示を行って炊飯器を販売しているとして、「糖質カット炊飯器」を販売する4社に対して、景品表示法(優良誤認)に基づく措置命令を出しました。措置命令を受けたのは、家庭用品販売大手のニトリ(札幌市)、Areti(アレティ;東京都中央区)とリソウジャパン(東京都中央区)、AINX(アイネクス;東京都港区)です。うち、Aretiとリソウジャパンは、新商品開発プロジェクトに特化したクラウドファンディングサイト「Makuake(マクアケ)」において、問題の「糖質カット炊飯器」のプロジェクトを立ち上げていたとみられています。
●消費者庁の情報
https://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_cms215_240208_01.pdf
これに関してFMGでは、「糖質は、水を加えて加熱するだけの条件においては、化学的に非常に安定な物質であり、当然、元の米と比べて糖質が減るということは化学的にはあり得ず、高校程度の化学レベルがあれば、決して騙されない問題だ」として、その悪質性を強調し、注意を喚起しています。
「糖質カット」の狙いとは?効果がある現実的な方法とは?化学専門家解説
単純に「糖質カット」とはいいますが、こういうことを容易く口走る人は疑うまでもなく化学音痴だと断言できます。実際には、「糖質カット」の本質は、糖質全体を化学的に減らすわけでは決してなく、全糖質に占めるデンプンなどの消化性糖質の割合を減らすか、消化性糖質の酵素分解で生成するブドウ糖の吸収速度を遅らせるということにあるのです。このようなことを実現したいのであれば、玄米食にするか、米の一部をこんにゃく(グルコマンナン)や寒天といった、食物繊維としての性格が強い食品に置き換えることでできます。玄米は、半日程度浸水すれば、どこの家庭にもあるガスコンロでも炊飯器でも簡単においしく炊飯できますし、糖質の代謝に欠かせないチアミン(ビタミンB1)をはじめとするビタミンB群やビタミンE、γ-オリザノール、重金属による毒性リスクを軽減するフィチン酸(IP6)も摂取できますし、ふすま(外皮)が食物繊維であることから、同量の白米に比べると、摂取後のブドウ糖の吸収が緩やかだといわれています。また、最近では、食味への影響が小さいとされる、こんにゃくや寒天を利用した、炊飯用の代替糖質食品もスーパーなどで容易に入手できますので、そのような食品を、米の一部と置き換えるという方法も有効と考えられます。但し、この方法は、消化性糖質のデンプンの一部を、難消化性糖質(食物繊維)に置き換えるものであって、糖質全体を減らすというわけではないので、その点には解釈に注意が必要です。
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