東京都で英語スピーキングテストの商業依存にピリオド、これまでは岡山のベネッセが運営

【訂正】
配信時、「英語リスニングテスト」とありましたが、正しくは、「英語スピーキングテスト」です。お詫びして訂正いたします。
(訂正は反映済みです。)

ベネッセの進研事業不振が影響か

ベネッセホールディングス(HD)(岡山市)が、通信教育「進研ゼミ」や模擬試験業務受託のブランドで知られる「進研」事業の慢性的な不振で、株式上場廃止を含めた大規模な経営再建を迫られています。その影響は、商業依存が常態化していた公教育の現場にも及んでいます。東京都では、これまで、中学校3年生を対象に行われる、東京都立高校入学試験の合否判定にも利用される英語スピーキングテストの業務は、ベネッセHDの事業子会社であるベネッセコーポレーション(以下、ベネッセ)に委託して行われていました。しかし、ベネッセの運営で行われる試験は今年度が最後となり、その最後の試験が、26日に実施されたのです。これも、ベネッセHDグループ全体の事業不振が大きく影響しているものと思われます。

公共機関の民間委託(官版商業依存)をめぐるトラブルでは、広島市の給食事業者ホーユー(※廃業)が、収益悪化を理由として、給食を予告なく停止し、全国の学校などで大混乱を招いたことが記憶に新しいところです。いずれの場合も、営利企業の宿命ともいえる利潤(営利)の追求という企業論理からくる公共ニーズとの間の歪みが大きくなり、その歪みに耐えきれずに最後を迎えたわけですが、民間委託の脆弱性や限界が露呈したかたちです。教育委員会などが自前で調達・運営して自己完結するしていれば、混乱はなかったはずです。

ベネッセHDは、夫人への暴行で逮捕された履歴をもつ原田泳幸氏が会長を務めていたこともあります。原田泳幸氏は、アップルコンピュータ(Macintosh = Mac)日本法人社長の後に日本マクドナルド(McDonald’s = Mac)ホールディングスCEOを歴任してきた「マックtoマックトップ」としても知られており、マックtoマックトップの後に、ベネッセHD会長に就任しました。さらにいえば、日本マクドナルドとベネッセHD双方の役員を兼務していた時期もありました。

原田泳幸のGoogle検索結果。マクドナルドにガブついている写真もあることに注目。

次回以降の東京都の英語スピーキングテストは、英国の公的国際交流機関、ブリティッシュ・カウンシルが業務を受託・運営するという、まれにみる国際公共委託のかたちをとることで実施されるということです。

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