近づく北陸新幹線敦賀延伸開業、気になるのは関西や東海への影響

本日から試験走行開始、いよいよ現実味

本日から、線路や架線の正常性を検査するJR東日本の検査専用車両「East-i」による試験走行を開始し、その後、実際の営業用車両(W7系/E7系)による試験走行が始まる北陸新幹線の延伸区間(金沢ー敦賀間)。来年3月16日の開業まで、残すところ半年を切りました。沿線地域となる金沢以南の石川県や福井県には明らかな正の経済効果が期待されていますが、逆に懸念されているのは、大阪など関西地域や名古屋など東海地域への影響です。

関西・東海地域では、このように変わる:青春18きっぷでの格安金沢旅行が不可能に など

大阪・京都から福井・金沢方面へは、現行では、敦賀から北陸本線を通る特急サンダーバードで乗換なしで行くのが通常の行き方になっていますが、北陸新幹線の敦賀延伸開業後は、特急サンダーバードは敦賀止まりとなり、敦賀で北陸新幹線への乗り換えとなります。福井県内、敦賀以北の北陸本線は、並行在来線として、JR西日本から経営分離され、福井県の第三セクター「ハピラインふくい」に事業承継されます。そのため、運賃体系も完全に分離され、青春18きっぷが敦賀以北の並行在来線区間では対象外になるのは確実です。第三セクター路線は、地域密着型のため、運行本数は多くなり、地域交通の利便性は向上するとみられていますが、経営規模が小さく厳しくなるため、運賃はJR線よりも高くなる傾向があります。関西から福井・金沢方面に行く場合は、特急サンダーバードで敦賀まで行き、敦賀から北陸新幹線乗り換えが一般的な行き方になるとみられますが、その場合、乗り換えを含んでも時間の短縮効果がある一方で、合計運賃は現行の特急サンダーバード直通より高くなることが多いといわれています。とくに関西からのビジネス客や観光客は、乗り換えにより不便になることにより、心理的距離がより遠くなることを心配する人が多いようです。

同様に、現行では名古屋から米原・敦賀を経由して、福井・金沢方面に直通している特急しらさぎ号も敦賀止まりとなり、北陸新幹線への乗り換えが必要となります。福井・金沢になると、やや西に迂回することにはなりますが、事実上、敦賀での新幹線乗り継ぎの一択になるでしょう。

とにかく運賃を安く抑えるなら

今後、関西・東海と北陸各都市を結ぶ各運行事業者がどのような対応をするかは未知数ですが、現在のところ考えられる、運賃を安く抑える方法は、以下のとおりです。

●高速バスで直行
最も簡単で楽に安くできる方法として、人気がある方法です。高速道路での移動ですので、時間ではさすがに新幹線には敵いませんが、乗り換え不要で運賃は格安に抑えられることは確実でしょう。ただし、高速バスで腰や肩にくるだとか、隣の客と近すぎるなどとぜいたくをいう方は、想定外です。

●敦賀まで新快速や普通電車で移動、以降、福井県内ならハピラインふくい、石川県以遠に行くなら北陸新幹線で
地理が得意な方向けの行き方です。大阪方面から敦賀までの新快速が今後どうなるかはわかりませんが、もしかすると、JR西日本の経営戦略として、特急サンダーバードに誘導するように間引く(または廃止する)ことも考えられ、かなり利用しづらくなるかもしれません。それでも、関西や東海から敦賀までは意外と近いですので、時間に余裕があるのであれば、敦賀まで在来線で乗り切ってしまうというのも十分ありです。福井県はさほど距離が長いわけではありませんので、福井県内なら、新幹線に乗るほどではないかもしれません。ただ、第三セクターは、県境を超えると、事業者が変わるため(石川県区間はIRいしかわ鉄道)、県境越えはかなり高額になる可能性もあります。その割には不便ですので、県境越えなら敦賀から北陸新幹線で、と割り切ってしまうという考え方もありです。特急料金の設定の関係で、新幹線は、近距離はかなり割高になり、遠距離になるほど、特急料金の割高感が薄まるという特徴があります。(例えば、他の地域の例で、盛岡〜八戸間を、第三セクター(IGRいわて銀河鉄道+青い森鉄道)で乗り通した場合と、東北新幹線(盛岡〜八戸間)で移動した場合とでは、運賃はほとんど変わらなかった、というような例もあります。それくらいに、第三セクター線は割高だということです。)

あくまでもこれらの方法は、現時点で考えられる方法ですので、JR西日本などの運賃施策で、条件指定の割引きっぷを発売するようになれば、その方が楽に安くできるかもしれません。それにしても、正規運賃は高すぎますので、何とかして安くする方法を考えたいものです。

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