秋の播種・育苗シーズン到来!秋の種まき始まっています!
立秋が過ぎると、秋の播種・育苗シーズンが始まります。今年はエルニーニョ現象の影響もあり、異例の異常高温や旱魃に襲われている能勢ですが、夜になると、25℃を下回るくらいに冷えます。一日を通して25℃を上回る条件では、ほとんどの品種で播種に適しませんが、25℃を下回る時間帯が少しでもあれば、品種によってはなんとか播種ができるようになります。実際に、キャベツやチコリの発芽が始まっています。発芽率を高め、活着率を高めるため、湿潤下で冷蔵庫で発根させる春化処理を行っています。こぼれ種ののらぼう菜が畝で大量に発芽し、自然に苗が育っています。これは、のらぼう菜などのアブラナ科野菜の播種が、今の時期でもできることを教えてくれています。
ナチュラルガーデンにこれさえあれば間違いなし!宿根草として一押しの科をご紹介!
耐暑性や耐寒性の問題で失敗したり、どうもバランスがとれない、派手になりすぎ、地味になりすぎなど、ナチュラルガーデンづくりを試みたことがある方であれば、一度はそのような壁にぶち当たることがあるのではないでしょうか。しかし、品種選びで迷ったら、これさえ植えておけば、まず間違いなしといえるような注目の科がいくつかあります。園芸キャリア約40年のベテランが造営する能勢・ぎんぶなのうえんが、試行錯誤を経て厳選し、おすすめする科をご紹介します。(実際に能勢・ぎんぶなのうえんのナチュラルガーデンも、これらの科を中心に構成しています。)
キク科
科レベルでは、どのガーデンにも1種は必ずあるほどの超定番の科です。強健で確実に開花する品種が多く、とくに花の直径が3cm以上の中輪以上の花をつける品種は確実に目を引くので、必ず入れておきたい科になります。但し、コレオプシスのような、繁殖力が強すぎるために、特定外来生物に指定された品種もあるので、繁殖力は、殖やしたいときにほどほどに殖やせる程度の強すぎないものがおすすめです。
ナデシコ科
草丈が低くコンパクトに収まるダイアンサスや、程よく見ごたえがあるリクニスなど、ナデシコ科だけで組むのもありといえるほど、ナチュラルガーデンに取り入れやすい科です。花は目を引いても主張しすぎず、優しく愛らしいものが多いです。ダイアンサスやリクニスなどは乾燥気味を好み、花の可愛らしさからは想像もつかないくらいに旱魃耐性もあり、土の条件が合えば、とても勢い良く育ってくれる、とても頼もしい存在です。石灰や苦土を好む品種が多いです。
スイカズラ科(うち、旧オミナエシ科・旧マツムシソウ科)
独特のナチュラル感のある草姿で、ナチュラルガーデンのナチュラル感を演出するのに役立ちます。スイカズラ科の植物が植わっているだけで、ナチュラル感が際立ち、ナチュラルガーデンとしてのバランスがとれ、締まります。旧オミナエシ科は、バレリアナ(カノコソウ類)やパトリニア(オミナエシ類)など、霧のように咲く小花をつけるものが多く、旧マツムシソウ科は、キク科に似ているものの、やはり異なる、独特の味わい深い個性的な花をつけるものが、スカビオスと呼ばれます。とくにクナウティアは、他の品種には少ないニッチで落ち着きのある色合いの花が多いうえ、スカビオサ属の欠点を補完する特性があったりするのでおすすめです。成株は強健なものが多いですが、初期育成(播種・育苗)にはかなりクセがあり、栽培技術が必要ですので、初心者の方には、大きめの苗から植え付けるのがおすすめです。石灰や苦土を好む品種が多いです。
シソ科
強健なものが多く扱いやすいです。芳香ハーブとして親しまれているものも多く、ヒソップやサルビア類など、花が美しい芳香ハーブをあえて取り入れてみるのもありです。サツレジャやチムス(タイム類)はテルペンフェノール類を主成分とする抗菌性の精油を多く生成しますので、植物病害リスクの軽減にも役立つ可能性があります。
アオイ科
夏に目立たてるなら欠かせない存在がアオイ科です。マロウ類と呼ばれる大型に育つものを背後に配置すると、とても目を引きます。温帯産のものは、耐暑性も耐寒性も強く、性質も強健です。意外と知られていませんが、採種や種子からの発芽も比較的容易で、園芸の醍醐味を味わい尽くせる科のひとつでもあります。
他にもおすすめの科や属もありますが、上記に示したものは、とくにおすすめです。
能勢・ぎんぶなのうえんでは、2023年秋季・2024年春季は、上記の科の宿根草を重点的に育苗していく予定ですので、ご期待ください。
魅力はあるが注意が必要な科
キンポウゲ科やケシ科は直根性で根の扱いに注意が必要で、ちょっとしたことで機嫌を崩すこともあります。有毒成分を持つ品種も多く、その点も注意が必要です。
ムラサキ科はとても美しい青花で憧れる方も多い科ではありますが、耐暑性に難があるものが多くあります。ただ、ボリジは、夏と冬を避けるようにすれば、一年草としては育てやすい特性があります。
キキョウ科やリンドウ科は土壌に関する要求、とくに水分条件の要求が厳しいものが多く、乾燥や蒸れで失敗しやすいものが多いので、注意が必要です。ただ、土壌の条件が合えば、良好に育つので、相性の見きわめは必要になる可能性があることは知っておいていただきたい点になります。
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