ゲーム課金問題のそもそも論(その1)

19日の午前7時30分頃、NHK総合のおはよう日本で、未成年者のオンラインゲーム課金トラブルが消費者問題としてクローズアップされました。しかしながら、いつものように、それぞれの立場の弱さゆえに、きちんとけじめをつけられないウダウダもありました。商業ゲームの問題は、今回のNHKの報道で取り上げられていたような、経済的被害にとどまらず、ことにこどもが関わると事態はより一層深刻です。こどもをオンラインゲームを含む商業ゲームの脅威から根本的に守り切るために必要な親や周囲の人に求められる心構えとは何か、考えてみましょう。

商業ゲーム問題はがんに似ている

理性の発達途上にあるこどもに一度、商業ゲームに触れさせるともう最後、いろいろと言い訳をしては、商業ゲームへの依存の泥沼から抜けるのが困難になり、その「病巣」は、もはや手がつけられないくらいのあっという間に拡大してしまいます。問題に真剣に向き合わなかったり、問題の根本を除去しないかぎり、問題は半永久的に解決しない商業ゲーム問題は、悪性新生物(がん)に似ています。こどもには絶対に商業ゲームに触れさせてはならず、そのような話し合いをするにも及びません。商業ゲームをやりたいという芽を出させてしまっては、もはや手遅れです。やはり、原因の芽を出させないという、予防的対応がなにより重要となります。運悪くも問題が少しでも認められるような場合には、病巣が小さいうちに根本除去するといったような、「激痛を伴う外科手術」のような強力な教育的処置も必要になるでしょう。

親から学校・行政まで、無法状態のゲーム会社の前では立場が弱い

「学校のクラスメイトとの話題についていけなくなるので、(話題についていくために)こどもには、やむにやまれず、商業ゲームをもたせている」よくいわれることです。商業ゲームに特段問題意識を持たないような多くの都会在住の親は、親自身のクレジットカードを課金口座として安易に登録、さらに、文部科学省などの監督権限のあるはずの省庁の怠慢によって、規制すべきものも規制できないという法整備の不備という大穴を商業ゲームメーカーは虎視眈々と狙っているのです。規制する法律がないかぎり、学校も教育委員会も消費生活センターなどの行政機関も動きようがない、それが、役所のできない言い訳の常套句です。NHKでは、親権者の同意がない未成年者による取引行為は、取り消すことができる未成年者取消権(下記リンク先の参考情報参照)が紹介されていましたが、この法律で保護されるのは、消費者行政で取り扱う経済的権利にすぎません。商業ゲーム問題では、こどもを商業ゲームによる束縛から解き放つための教育的対策も求められることも忘れてはなりません。問題の特性上、商業ゲーム問題のほうが、他の一般的な消費者問題と比べて、解決のハードルは高くなるでしょう。未成年者取消権を行使せざるを得なくなるようでは、もはや手遅れかもしれません。そうなる前に、親などがすべきこととは…

消費者保護にかかる法律(未成年者取消権)の参考情報(独立行政法人 国民生活センター)
https://www.kokusen.go.jp/t_box/data/t_box-faq_qa2021_03.html

根が深くなる商業ゲーム問題に関して、具体的には、親や周囲の大人には、どのような配慮が必要なのか、どのような教育アクションができるのか、その2では、その詳細について考えていきます。

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