オーケーの異議申立を認める司法判断
関西地域の主力スーパーマーケットチェーン関西スーパー(兵庫県伊丹市;以下、関スー)は小売大手エイチ・ツー・オーリテイリング(大阪市;以下、H2O)と経営統合し、H2O傘下の阪急オアシス(大阪府豊中市)・イズミヤ(大阪市)と経営統合することを、臨時株主総会で可決した。これに対して、関スーの買収をめぐり、H2Oと競っていた関東地域のディスカウントスーパーチェーンのオーケー(横浜市)が、関スー側が白票を「賛成」として扱ったのはコンプライアンス上の重大な疑義があるとして、関スーの本社所在地を所管する神戸地裁に、H2Oとの経営統合決定の無効差し戻しを求めていた問題に関して、神戸地裁は、オーケーの訴えを認め、問題となった臨時株主総会を開催した関スーにH2Oとの統合差し戻しを命じた。神戸地裁は、H2Oとの統合決議の差し戻しを決定した理由として、「白票は棄権として計上すべきであるにもかかわらず、オーケーの疑義のとおり、関スーが恣意的に「賛成」票とみなして集計したために、僅差でのH2Oとの経営統合が成立した疑いが払拭できず、このような決議には、法令違反もしくは著しい不公正があるため」とした。
阪急オアシスではすでに統合決定ムード
ふなあん市民運動メディアの発信拠点の近くにある阪急オアシスを訪ねた。すると、年末商戦で書き入れ時のはずの12月初旬に5日間の臨時休業をし、その後、リニューアルオープンをするとの告知があった。店内のPOPにも、少し前まではライバルだった「関西スーパー」との共同企画を示すものが早くも掲出され、関西スーパーとH2Oとの経営統合は不動で決定済みの姿勢だ。阪急オアシスは、「関スーは関西地域のスーパー業界としてはとても大きい存在なので、関スーとの経営統合に伴い、多くの従業員が入れ替わる可能性があるかもしれない」とコメントしているが、本日の神戸地裁の司法判断によって、阪急オアシスやイズミヤがどのような態度をとるのかが注目される。
関スー、仮処分に保全異議申し立て
関スーは、本日の神戸地裁による仮処分に関して、保全異議申し立てを行った。しかし、神戸地裁が一度、関スーの白票の扱いに「法令違反もしくは著しい不公正がある」ことを仮処分の理由とした以上、それを覆すことは難しいとみられる。
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