大玉鶏卵の生産者を隠匿したいほんとうの理由

Mサイズ以上の鶏卵には、生産者が表示されておらず、ただ「国産」という表示のみで、GPセンターの記載しかないものが多くあります。それはどういうことか、ご存知でしょうか。その謎を理解するためには、鶏卵の生産(飼養)の真実と流通のしくみを理解しておく必要があります。なぜならば、わからないままだと、何が問題なのかわからなくなってしまうからです。

GPセンターとは何か

大規模なケージ養鶏場の場合、卵を選別・パッキングしていると間に合わないため、ただ単に採卵だけが行われます。そして、卵を選別・パッキングする専用の施設に出荷されます。これがGPセンターです。GPセンターは、都市部近郊のような大消費地の近くに設置されることが多いです。鶏卵のパッケージラベルに記載の住所を確認してみてください。

GPセンターを設置するほんとうの理由はほかにある

Sサイズの卵の場合は、ケージ養鶏場の住所が記載されているものも多くありますが、なぜM~LLサイズといった大玉の鶏卵にはケージ養鶏場の住所が記載されず、GPセンターの住所しか表示されないものがあるのでしょうか。実は、大玉鶏卵を生産するためには、たいていの人は知らない、想像を絶することが行われているのです。それは、強制換羽(きょうせいかんう)です。強制換羽とは、Sサイズの卵を採卵していた鶏の採卵数が減少し始めるときに、採卵効率を高めるために行われる断食・断水もしくは低栄養餌への置換によって、羽毛の脱落を促すことであり、ケージ養鶏業界の隠語では「技術」と呼ぶそうです。当然、強制換羽では、鶏に過大なストレスがかかるため、体力が尽きて死亡する鶏も1割程度は出るようです。このことを知られれば、卵は食べたくないという人は確実に増えるでしょう。このような生産養鶏場の隠蔽は、残酷な飼育方法がバレて卵離れが起こるのを恐れてのことと思われます。GPセンターの存在は、残酷な強制換羽が行われるケージ養鶏場の雲隠れを実現するものでもあるのです。そして、無知な消費者は、「GPセンター=生産農場」と勘違いし、強制換羽の現実を知ることなく、喜んで大玉を買うのです。強制換羽は、日本の半数以上の採卵養鶏場で行われているということです。

それでも鶏卵を食べたいかはあなたの倫理観次第

いくらケージ卵が残酷だといっても、市場に安価に、合法的に流通しているかぎり、それを買っても逮捕されるようなことは決してないでしょう。でも、時代はエシカル消費の時代。ビーガンになる人も増えていますし、文化人や知識人など、市民信用の高い人のビーガン率はとくに高いものがあります。そのような人たちからは、ケージ卵を買う人は、今後、冷ややかな眼差しでみられ、質の高い人脈の構築が困難になるかもしれません。交友関係などのさまざまなリスクを負ってまで、自己の征服欲を満たすためにケージ卵を買い続けるか、世間の真実を正しく知って、他者の痛み苦しみを理解してビーガンの道を選ぶか、それを決めるのは、あなたの倫理観次第です。

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