におうこどもの育て方

筆者が小学生の頃、小学校はこどものにおいがぷんぷん漂っていました。しかし、今はどうでしょうか。小学校は無機質なにおいが漂い、児童の多くは、柔軟剤のにおいをまとい、あのこどものにおいはほとんど感じられません。教職員や保護者も、こどものにおいを知らない人が多くなっています。このままで大丈夫なのでしょうか。

こどものにおいとは何か

小学校児童の皮膚の特有のにおいは、きゅうりと昆布と緑茶を混ぜたような、ばばっち感を含んだ初々しい青草のような香りであり、青葉アルコール(cis-3-ヘキセノール)やノネノールのような中級不飽和アルコールが、そのにおいを特徴づける成分のひとつになっているようです。中級アルコールは、こどもの皮膚常在菌が、皮脂を還元的に分解することによって生成すると考えられます。それが酸化的に分解すると、カメムシの臭いとして知られるtrans-2-ヘキセナールや加齢臭の成分として知られるノネナールなどのアルデヒドになります。身体は加齢に伴って酸化的状態になり、これが老化や発がんリスクと密接に関係しています。健康なこどもの身体は還元的な状態であるため、そのようなにおいがするものと考えられます。このことから、こどものにおいは、こどもの食習慣などの生活習慣の健全性の指標にもなりえます。

こどものにおいがしない状態の危険性

きゅうりと昆布と緑茶を混ぜたような、ばばっち感を含んだ初々しい青草のようなこどものにおいは、身体が還元状態で、かつ、皮膚常在菌が多い、こどもとしてとても健康な状態の証拠といえます。こどもとはいっても、マクドナルドのようなジャンクフードを多食するような乱れた食習慣のこどもだと、身体が酸化的ストレスに晒された状態になるため、カメムシのような臭いがしたり、加齢臭に近い臭いが鼻につくことも考えられます。抗菌消臭剤や柔軟剤の成分が付着した衣服を身に着けていたりすると、香料や消臭剤の臭気マスキング作用や抗菌性成分の影響で、こどもの身体から発せられるにおいが感じられなくなることがあります。このような状態だと、こどものにおいで健康管理ができない状態であり、危険な状態であるといえます。

こどものにおいはこうして感じる

こどものにおいは、皮膚が擦れたときによく感じられます。現代のこどもでも、ステンレスの鉄棒で思いっきりあそんだあとなどには、鉄棒に付着した手のあぶらや手垢がこどものにおいを発することがあります。最近は、商業ゲームの普及の影響もあり、肌が擦れ合う手あそびや、友達同士の生足が擦れ合うような、スキンシップ効果があるあそびをするこどもが減ったことも、におうこどもが減った原因のひとつになっています。こどもにステンレスや木の表面をすりすりさせたり、親子や担任と教え子とでもよいので、手のひらや生足をすりすりするようなスキンシップの機会を与えてあげるとよいでしょう。

不要な化学物質はすべて処分

不要な化学物質、とくに抗菌消臭剤、殺菌剤入りハンドソープ、芳香剤、合成洗剤、柔軟剤はすぐに使うのをやめましょう。これらは、ばばっちくあるべきこどもたちにとって百害あって一利なしです。衣類の洗濯は汚れたら粉石けんで、普段の手洗いは流水のみ。これだけで十分に清潔な生活ができます。この対策は、化学物質過敏症の予防にも欠かせません。

まごわやさしいをおなかいっぱい、油脂やタンパク質は良質な植物性のものを

食物繊維の多い日本の伝統的な食習慣は、腸内環境を正常に保ちます。「まごわやさしい」といわれる高繊維食を中心とした食習慣を日常化しましょう。まごわやさしい食は満腹感が得られやすいので、おなかいっぱいになるまで食べても、食べ過ぎにはなりませんし、成長期の児童期には栄養不足がないように、しっかり食べさせることが重要です。適度の良質な植物油脂は、こどものにおいの原材料にもなり、大豆タンパクには、構成アミノ酸として、やる気の向上や、精神の安定維持にかかわる芳香族アミノ酸を豊富に含んでいますので、あわせて意識するようにしましょう。

毎日、太くて長い快便うんちを

快便うんちはすべての健康の基本です。大腸が常に活発に運動し、すっきりとした状態だと、全身の代謝も精神状態もとても良好な状態に保たれます。毎日太くて長い、水に浮くさつまいも〜バナナ型のうんちを目指しましょう。一日量として、100+50x(g)(xは小学校の学年)以上のうんちが出るのが理想です。

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