【独自】農林水産省、動物用医薬品成分の使用実績を把握せず(1)

動物用医薬品の陽イオン界面活性剤が鳥インフルエンザの防疫(消毒作業)でも多用され、情報調査の過程で、養鶏等畜産分野でのこのような消毒剤の日常的な多用の疑いが浮上したため、農林水産省消費・安全局 畜水産安全管理課に、動物用医薬品の陽イオン界面活性剤の使用実態に関する情報開示請求を行ったところ、農林水産省では、このような情報をまったく把握していないことが判明しました。これにより、農林水産省の化学物質管理のきわめて杜撰な実態と畜産業界における消毒剤乱用の野放しの実態が鮮明になりました。

化学物質の製造・移動・使用・環境中への排出の実態について把握するPRTR制度は、環境省・経済産業省・厚生労働省が共同で運用している化学物質管理に関する国の制度ですが、農林水産省は、農薬や動物用医薬品といった化学物質の監理監督を行っているにもかかわらず、これら薬剤の販売・使用に伴う化学物質の製造・移動・使用・環境中への排出の実態を把握していませんでした。また、各物質ごとの使用量や環境中への排出量の推計値を算出するための基礎情報となりうる動物用医薬品の売上重量実績に関しての情報は、それぞれの動物用医薬品製剤の販売者に問い合わせてほしいとの回答でした。動物用医薬品の販売者が売上重量実績に関する情報開示請求を拒否した場合、動物用医薬品成分の使用・排出実態を知る手がかりは、事実上絶たれることになります。

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